HOPPY team TSUCHIYA プレスリリース

本当の意味での“つちやエンジニアリング復活”のシーズンに。強い決意で臨むシーズンがはじまる!

 2025シーズンのスーパーGTシリーズがいよいよ開幕。舞台は今年も岡山県美作市、岡山国際サーキットだ。一昨年の不運なアクシデントから復活した昨シーズン、No.25 HOPPY Schatz GR Supra、通称ホピ子2。レースの舞台に戻ってはきたものの、土屋監督以下チーム一同、心から満足できる結果を得られたとは言い難かった。

 今季は『本当の意味での“つちやエンジニアリング復活”の年にする』、強い決意で臨むシーズンの開幕戦の戦いをリポートする。真っ青な空に迎えられた、開幕戦、岡山国際サーキット。山間のサーキットの冷たい空気の中、開幕戦の土曜日を迎えた。

 公式テストまでは一部黒いカーボン地剥き出しだったホピ子の2025仕様のカラーリングもお披露目となった。搬入日の4月11日は奇しくも武士監督の父・春雄さんの4回目の命日。「スキを見せるとオヤジがイタズラする。きっとその辺で見てると思うから、スキを見せないように」自らに言い聞かせるようにスタッフ全員に声を掛けていた。

 ただ、これまでの2度の公式練習は雨か寒さでドライでの十分なテストができないまま臨む開幕戦。決して簡単ではないとチームの全員が理解した中、最初のセッションが始まった。
 

公式練習:27位 タイム:1分28秒086

 朝9時半。公式練習が始まる。最初のドライバーは松井孝允選手。最後の公式テストでは「まだまだやらなければいけないことがいっぱいある。だけど去年よりも進んでいってる感じがある」と語っていた松井選手。コースインするとじっくりとウォームアップ。じわじわタイムを上げ5周目に1分28秒631を記録しピットイン。その後8周目に1分28秒367、さらに13周目に1分28秒086までタイムを短縮し、ピットイン。

 ドライバー交代で佐藤公哉選手がコースへ。佐藤選手は短いスパンで1分29秒台で周回を重ねると、残り時間が少なくなったところで新品タイヤに履き替えてコースイン。1分28秒249までタイムを上げて、ここでセッション終了。テストで走れなかったドライコンディションで33周を走ることができたが、タイムはトップのスバルBRZから2秒878遅れの27位。結果だけを見るとやや厳しい船出となった。

土屋監督コメント

「テストからちょっと厳しいかな、というのは分かっていたけど、変にとっ散らかるんじゃなくて、次に必要なものを掴んで、ということは落ち着いてできていた。改善していかなければいけないことは色々とあるが、やるべきことはできている。地に足はついていると思うよ。いつもどおり諦めずにやっていきます!」

松井孝允選手コメント

「厳しいな、と。でもそのなかで次に繋げていかないと。開幕戦という楽しみな所もあるが、僕はドライバーなので結果が欲しい。今年は監督の意気込みに引っ張られてるけど結果にはまだ繋がってない。今後必ず結果につながるはず。諦めずにやっていく」

佐藤公哉選手コメント

「率直に言うと苦労してますね。今シーズンちゃんとしたドライコンディションで走れたのは初めてなので、そこで新たに出てきた問題点なのもあります。それにうまく合わせ込んでいきたい。やる気は満ち溢れています。応援してくださっている方々のために良いところを見せられるように頑張って行きたい」

公式予選

Q1 B組:14位 タイム:1分27秒237 Q2進出ならず
決勝スターティンググリッド 27番手

 予選は今年から再びノックアウト方式に変更になった。Q1はA、Bの2組に分かれて行われ、両組の上位9台ずつ、計18チームがQ2に進出することができる。我らがホピ子はB組での出走となった。

 公式練習後に土屋監督、松井、佐藤両選手、木野エンジニアの四人がパドックのトラックに消えたまま、なかなか戻ってこなかった。熱のこもったミーティングが行われていたに違いない。

 迎えた予選Q1。B組で出走するHOPPY Team TSUCHIYAのドライバーは松井選手で10分間の予選がスタート。松井選手は懸命のドライビングを見せ5周目にこの日ベストとなる1分27秒237を叩き出す。しかしライバルが次々にそれを上回り、結果は14位。Q2進出はならず。

 A組の結果と合わせて13日の決勝は27位からのスタートとなった。不振の主な原因は、タイヤの選択とそれにクルマを十分に合わせ込めなかったところだと言うことで、コーナーで十分なグリップを得られない状態が続いていたという。

 一方で、今季、チームがもうひとつ新しくチャレンジしているのが、国産のギヤボックスの開発プロジェクト。こちらは初めてのドライでの100%アタックにも終始トラブルフリーと順調に開幕戦の初日を終えたことは、苦しいなかにも大きなプラス材料となった。

 全体的に厳しいスタートとなった開幕戦初日だが、武士監督以下チームは明日の決勝に向け、「やれるだけのことをやって、次へと繋げるレースをしよう」と、決して下を向いていない。明日の決勝は昼頃まで雨の予報。ウエットからのドライへと変わる難しいコンディションとなりそうだが、HOPPY Team TSUCHIYAの巻き返しに注目してほしい。

土屋武士監督コメント

「結果は残念だが、そんななかでも自分たちのやるべきことを見失わずに、改善できていっていたので、やるべきことはできたかな、と言う感触。ただ、応援してくださっている皆さんには申し訳ない気持ちが大きい。ウエットからのスタートになりそうだが、どんな状況でも選択を間違わないよう準備して挑みたい」

松井孝允選手コメント

「厳しかった。ただ、チームとしてはそんななかで進歩が感じられた。どうしていかなければいけないかはより明確になったので、この予選を無駄にするのではなくとにかく進んでいくしかない。この結果は受け止めて、間違いなくここから進歩していくと思う。(雨について)そこについてもポジティブな内容しか入れ込んでいない。土砂降りだと厳しいが、雨が少ない状況であればポイント獲得を目指して頑張って行きたい」

佐藤公哉選手コメント

「Q1は松井選手が今あるなかで最高のアタックをしてくれた。明日はまた別の日としてしっかり頑張りたい。レースは荒れる可能性がある。天気の予報も刻一刻と変わっているし。荒れるとなるとチャンスはあると言うこと。ただ、チャンスがあればピンチもある。ピンチにならないように、変なことに巻き込まれないように、まずは完走目指して、かつ、あわよくば15位以内、ポイント獲得を目指して頑張りたい。(気持ちは)前向きです」

初日厳しい船出も、決勝は大荒れのレースを完璧なレース運びで躍進。開幕戦で今季への確かな手応えを掴む!

 予選27番手と苦しんだが、決勝は度重なる赤旗やセーフティカー導入となるなか、盤石のレース運びで順位を大幅に上げ、ポイント獲得まであとわずかの16位と、次戦以降につながる手応えを掴むレースとなった。

 晴天の前日から打って変わって、朝から強い雨風で荒れ模様の決勝当日となった。HOPPY Team TSUCHIYAはウエットからドライへと路面状況が変わるレースを想定。それに向けたタイヤ選択、ピット戦略など綿密な準備をして臨んだ。雨が止まず路面に水が浮いた状態により、セーフティカースタートという判断が下された。セーフティカーラン終了、さあ競走開始となった直後、GT500クラスで数台が絡むクラッシュが発生し、一旦赤旗に。

 再スタート後もセーフティカースタート、ここで8周目、HOPPY Team TSUCHIYAが動く。25号車ホピ子2がピットイン。給油だけを済ませて再スタート。通常のタイヤ交換時のピットストップ時間を極力減らそうという作戦だ。レース再開後もクラッシュやスピンアウトなどにより、セーフティカーが一度、フルコースイエローが一度挟まる荒れた展開に。そんな中で着々とポジションを上げていく25号車は30周目に19位、44周目にはポイント圏内の15位にまで順位を上げる。

 路面が乾き始めた47周目、ここで25号車がピットイン。レインタイヤとスリックタイヤのラップタイムを冷静に見極めながら“ここ”というタイミングでスリックに交換。ドライバーも松井孝允選手にチェンジ。一旦は順位を21位まで下げるものの、ここから松井選手が周回ごとにラップタイムを上げ、58周目には16位までポジションアップを果たす。

 ポイント圏内の15位を走るマシンとの差は約8秒。ラップライムペースもさほど変わらないことから、厳しい戦いが想定された…、そこへ再びアクシデント。フルコースイエローから結局セーフティカー導入。これで一気に前走者との距離が一気に詰まる。

 最終盤の70周目、最後は超スプリントレースの様相を呈した中でセーフティカー導入。セーフティカーラン終了で猛烈に前を追う松井選手。しかしわずかに届かず16位でレースフィニッシュ! 前走の15位とはわずか0.415秒差まで迫ったが、惜しくもポイント獲得とはならなかった。それでも準備してきたことが出せ、中断で激しい争いを演じられたことで「久しぶりに”つちや”らしいレースができた」とチームは確かな手応えをつかんだ開幕戦となった。

※レース後、上位チームが車両の規定違反により失格となったため、順位が繰り上がり15位となり1ポイントを獲得しました。今シーズンも引き続き、温かいご支援とご声援をよろしくお願いいたします。

土屋武士監督コメント

「正直やれること全部やれたなと。いいレースができたなと思います。(ピット戦略がうまく行っていた)そうですね。全部考えていて、準備してたんで、チームにも『こうなるかも知れない』というのは常に話しながら。一番難しかったのはタイヤのチョイスだったり、タイヤの内圧。どのコンディションに合わせるか悩んだんですけど、そういう部分を含めて、あとスリックタイヤに交換するタイミングも僕達がもっている中では最高のタイミングとチョイスができたなと思ってるんで、開幕戦やり残したことがない開幕戦ができたなと。セットアップに関してもそうですし、いろんな選択、正直『ああしておけば良かったな』というのがゼロの開幕戦ができたんで、納得です」

「(初日厳しいスタートだったが、手応えになった?)まだまだ全然トップを取れるようなポテンシャルを発揮できてないんで、そこは辛いなあと思ってるんですけど、チームとしてはひとつ目標だったいいリズムを作る開幕戦、次に期待できる開幕戦が最低限の目標というか、それを掲げて入ったんで、もう終わった後のみんなの表情を見れば良かったなと思えるので、この良い弾みがつく開幕戦が過ごせたかなと思っています」

「つちやエンジニアリング、ここ数年低迷していたんですけど、今年こそ復活元年というか、強いつちやエンジニアリングが戻ってきたなと思っていただけるような1年にしたいと思っていますので、そういう意味ではいいスタートが切れた開幕戦、今後どんどん上がっていけると思うんで、ヨコハマタイヤさんに頑張って良いタイヤ作ってもらって、必ず今年、上位に行きたいと思います。開幕戦、応援ありがとうございました!」

松井孝允選手コメント

「正直悔しいです。チームの戦略が本当に完璧で、しかもポイント(獲得)が目の前っていうところが。終わってみて、レースしてるんで終わってみて凄く悔しいなと、もちろん完走できたのは嬉しいですけど、2025年の開幕戦としては凄く良かったんですけど、とにかくポイント目の前だった、っていうのが終わってすぐなんで、悔しいなという気持ちで一杯です」

「(終盤難しいシチュエーションだったが?)とにかく前しか見てなかった。とにかく前だけ見て走ってたんで、後ろどうこうより、目の前のライバルを抜きたかったなというのが正直なところです。(最後のリスタートからはスプリントレースみたいな気持ちだった?)そこはちゃんとレースした感があって、レースしてると凄く燃えてきますし、そういうところがモータースポーツのいいところだと思いますし、人に熱いバトルを見てもらうとか、ファンの方々に勇気を与えられるような走りをしたいなと思いますし、結果を出したいなと、更に思いました」

「(初日苦しかったが終わってみて?)いい意味で悔しいレースが戦えたっていう意味で、予選の時は悔しい思いだったんですけど、厳しいかなと思ってましたけど、ちゃんと戦えるクルマでもあったし、戦う準備ができてるなっていうチームでもあったし、凄くいいチームですね、相方にも。みんなが支えてくれたんで、結果があると思っています。ここをスタートに今シーズン頑張って行きます!」

佐藤公哉選手コメント

「(ウエットの中の難しいスタートだった?)セーフティカースタートということで慎重には行ったんですけど、赤旗中断でまたセーフティカースタートで仕切り直しで。コース上でオーバーテイクもしましたけど、ペース的にトップグループは速かったですけど、近くを走ってた車両にはちょっとアドバンテージがあったんですけど、車両特性の違いでなかなか抜きが難しくて、こっちがコーナーで速くてもなかなか追い抜きができない、もどかしいところがありましたけど割とレースはできたかな、と。次への課題と、自分の運転的にも色々試すことができたのでボチボチ次に向けて頑張ろうかな、という気持ちです」

「(スタートドライバーを任されたが)とにかく巻き込まれない、大事なクルマなんで、その辺意識して、極力傷ひとつつけないように意識して乗りましたけど凄く緊張したスタートにはなりました。岡山ラウンドでウエットだと苦い思いありましたけど、そういう意味でも凄く緊張感はありました」

「(しっかりと役割は果たせたのでは?)とりあえず無事故無違反で自分のスティントを終えられたので。スタートドライバーでしょうもないことやってしまうとレースを台無しにしてしまうので、ま、それもなく、持ち帰るものを持ち帰って、とにかく次の富士でどっかで雨が降った時に使える要素をゲットできて良かったなと思います」

「(初日苦しかったが入賞まであと一歩。手応えは)手応えはありましたね。ただ、周りも速い人たちばっかりなんで、やすやすとは、こう、後方スタートだったんでいいところで追い上げは結構できたと思うんですけど、まああと一歩僕達の力だと思うんで、もう一歩と言わずにてっぺんでしっかりレースできるように自分もそこは慎重に色々やってしっかり頑張っていきたいなと思います」

 この度YouTubeチャンネルを開設しました! ぜひご覧ください、またチャンネル登録もお願いいたします。
https://www.youtube.com/@tsuchiya_25

HOPPY Schatz GR Supra GT(松井孝允/佐藤公哉)
HOPPY Schatz GR Supra GT(松井孝允/佐藤公哉)/2025スーパーGT第1戦岡山

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