8号車決勝レポート
悪天候の中ふたりのドライバーが善戦。ペナルティもあったが7位でポイントゲット
昨日の晴天とは大きく変わり、今朝の岡山国際サーキットは雨模様だ。昼頃には雨も弱まる予報だったが、一向に止む気配もなく、フリー走行が始まった。そのフリー走行では、野尻智紀選手がバランスの確認を行い、松下信治選手に交代。最終的に松下選手がトップタイムを記録し、レースでどのくらい順位を上げられるかに期待がかかった。
スタートドライバーは野尻選手。雨が強いため、岡山県警によるパレードラップは中止となり、セーフティカースタートとなった。3周目にセーフティカーが解除になりスタートが切られたが、1コーナーを過ぎたところで多重クラッシュが発生した。不運にもチームメイトの16号車の佐藤蓮選手がこのアクシデントに巻き込まれてしまう。佐藤選手は幸いにも無傷だった。
再度セーフティカーが入ったが、車両回収、選手救出のため、赤旗で一時中断となってしまった。選手の無事も確認され、6周目からセーフティーカーランによりレースが再開される。
野尻選手のポジションはこの時点で9番手。雨が弱くなり始めた10周目にリスタートが切られた。慎重に1コーナーを回りポジションをキープしたが、ダブルヘアピンの攻防で11番手までポジションを落としてしまう。13周目に差し掛かったところで他車が1コーナーでコースアウト。再度セーフティカーが導入される。この時点でポジションは10番手。
18周目にリスタートが切られた。1コーナーで前車がコースアウトし、9番手にポジションアップ。21周目に300クラス同士が接触、コースアウトがありFCYが導入されるが、翌周にリスタートが切られた。
33周を過ぎたあたりからルーティンのピットインを行い始めるチームが出始め、野尻選手のポジションは8番手。さらに前車を抜いて7番手にポジションを上げ、その翌周にルーティンのピットインを行い、松下信治選手に交代。松下選手は9番手で戦列に復帰。
松下選手は、アンダーカットに成功し、48周目に6番手までポジションを上げることに成功。路面は徐々に乾き始め、300クラスの車両はドライタイヤに交換する車両が増えてきた。
徐々にタイヤが厳しくなってきた松下選手は、56周目にひとつポジションを落としてしまうが、前車がコーナーで膨らんでしまった隙にポジションを取り戻した。59周目に松下選手はピットイン。ドライタイヤに変更してコースに復帰。
松下選手のペースは良く、他車のピットインもあり63周目で5番手。65周目に他車からインに入られて接触。その車はアドウッドコーナーでコースアウト、FCYが導入され、そのままセーフティカーの運用に移行。70周目にストレートで全車停車し、整列してから再度セーフティーカーラン。72周目でリスタート、残り10周。
終盤は300クラスの車両を利用しながら前車と激しいバトルを繰り広げ、4位でレースを終えた。しかし、そのバトルで行き過ぎたドライブがあり、それによって決勝結果に40秒加算のペナルティを受けてしまい、最終的に7位となった。善戦しただけに悔しい結果となってしまったが、ふたりの戦いはチームの士気を上げてくれる内容だった。
鈴木亜久里監督のコメント
「ふたりとも素晴らしいレースをしてくれたね。野尻はクルマのバランスが決して良くないのにポイント圏内でノブにつないでくれたし、野尻の内圧のアドバイスもノブの素晴らしいバトルに生かされたのじゃないかな。ペナルティを受けて結果は少し下がってしまったけど、チーム全員の士気が上がったね。チェッカーの後はまるで優勝したような雰囲気だった。ペナルティを受けないように気を付けなければいけないけど、このようなレースを続けて行きたいね」
土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「ふたりとも良く頑張った。あまり目立たなかったかも知れないけど、野尻の踏ん張りはこのレースで重要な部分だったと思う。それをノブにうまくつなげることができたから、後半で良いレースができたのだと思う。トップのチームとの差はあるかも知れないけど、このようなレースができていれば、トップ争いができるようになるのじゃないかな」
田中洋克チームディレクターのコメント
「野尻は難しいコンディションのなかでうまくポジションを上げてノブにつないでくれました。ピットのタイミングも難しかったのですが、良いタイミングでタイヤを替えることができて良かったと思っています。結果はペナルティを受けて7位になってしまいましたが、暫定の4位までポジションを上げることができたのは、チームの雰囲気も良くしてくれたので良かったと思っています」
野尻智紀選手のコメント
「ペースがあまり良くなかったのですが、こういう展開になるのは分かっていましたが、高揚する気持ちを抑えながらクルマを持ち帰ることが大切だと考えながらノブにつなぐことができました。後半はノブの走りとチームの良い判断のおかげでここまで上がれたと思います。最終的にペナルティで4位から7位に下がってしまいましたが、自分ももっと良い走りをして結果に貢献したいです」
松下信治選手のコメント
「走り出しでトラブルから始まって、あまり流れが良くなかったのですが、上位でバトルができたのは良かったと思います。智紀のフィードバックも後半を戦ううえで重要なアドバイスでした。そのおかげで良いバトルができたと思いますが、ペナルティを受けて7位になってしまいました。故意ではありませんが、次回以降十分気を付けて大量ポイントを獲得したいと思います」
16号車決勝レポート
他車のスピンに巻き込まれレースせずしてリタイアも次戦に意欲
朝から雨の岡山国際サーキットでスタート前のフリー走行では、佐藤蓮選手が序盤トップタイムを叩き出した。クルマのバランスは良さそうだ。大津弘樹選手もアベレージのタイムは良く、最終的には2番手となったものの、昨日からの好調さはキープしているようだ。
スタートドライバーは佐藤選手。雨が強いため、パレードラップは中止となり、セーフティカースタートとなった。3周目にセーフティカーが解除になりスタートが切られたが、1コーナーを過ぎたところで他車のスピンに巻き込まれ、接触して走行不能となり、残念なリタイアとなってしまった。
全体的に好調だったので、まともにレースを戦わずに終わってしまったのは非常に悔やまれるが、気持ちを切り替えて次戦に挑みたい。
鈴木亜久里監督のコメント
「避けようがないアクシデントだったので仕方ないね。ただ、ずっと好調だっただけにこの結末は悔やまれるね。でもチームもドライバーも良いクルマを作り上げてくれたので、次の富士も同じようなパフォーマンスを維持して、最後まで走り切れるようにしたいね」
土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「好調だっただけに悔しいね。自分もたくさん同じような経験を積んでいるけど、悔しい。でももう終わってしまったことなので、次も好調さを維持できるように頑張って、レースで良い結果を出せるようにしたいね」
田中洋克チームディレクターのコメント
「1コーナーでのあのアクシデントは避けようがないと思うので、どうしようもなかったというのが本音です。次、頑張るしかないですね」
大津弘樹選手のコメント
「ウオームアップは結構フィーリングが良かったので、雨のレースでは良い展開ができるのじゃないかという手応えを感じてしました。あのアクシデントはもうどうしようもない、何もできないクラッシュでしたので何も言えません。次のレースに向けて準備していきたいです」
佐藤蓮選手のコメント
「スタートでクラッシュしてしまった、というのがすべてなのですが、ついていないと言えばそれまでなのですが、予選でもっと前のポジションを得ていればこのようなリスクも減らせたと思うので、メカニックさん達には申し訳ないですけど、クルマの修復をお願いし、次の富士では優勝を目指したいです」