2025年スーパーGT第1戦岡山『OKAYAMA GT 300km RACE』
開幕戦岡山で坪井/山下組が優勝。大嶋/福住組が2位、関口/フェネストラズ組3位でGRスープラが表彰台独占
スーパーGTの第1戦が岡山国際サーキットで行われ、雨のスタートから終盤乾いていく難コンディションで荒れたレースとなるなか、坪井翔/山下健太組au TOM’S GR Supra 1号車が優勝。2年連続で開幕戦を制しました。2位には大嶋和也/福住仁嶺組ENEOS X PRIME GR Supra 14号車、3位に関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が入り、GRスープラが表彰台を独占しました。GT300クラスではタイヤ戦略を決めた26号車が2位に入り初の表彰台を獲得しました。
2025年シーズンスーパーGTの第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』が4月12日(土)、13日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
今シーズンもTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、全8戦で開催されるスーパーGTのGT500、GT300両クラスに参戦する各チームと連携し、モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりを目指していきます。
昨年はGT500クラスでGRスープラがドライバー、チームの両チャンピオンを獲得。今季もTGR勢はGT500クラスに6台のGRスープラ、GT300クラスには2台のGRスープラ、3台のGR86,そしてレクサスRC F GT3が2台とレクサスLC500h、レクサスLC500がそれぞれ1台ずつ参戦。GT300クラスでのタイトル奪還及び、GT500クラスでは史上初となる3連覇を目指します。
例年どおり開幕戦の舞台となった岡山国際サーキットには、開幕を待ち望んだモータースポーツファンが集結し、土日2日間で2万3200人が来場しました。
予選
12日(土)、曇天、気温23度、路面温度31度のコンディションの中、午後2時より予選が行われました。昨年はQ1,Q2の合算方式で争われた予選ですが、今季はふたたびノックアウト方式で争われることとなりました。
GT500クラスは全車がQ1に出走し、上位10台がQ2へ進出します。Q1では山下の1号車がトップタイムをマーク。大嶋の14号車が3番手。最後のアタックで浮上した石浦宏明のKeePer CERUMO GR Supra 38号車が4番手、2周連続アタックでタイムを詰めた阪口晴南のWedsSport ADVAN GR Supra 19号車が5番手でQ2進出を決めました。
Q2でも最後まで激しいタイムアタックが繰り広げられ、1号車の坪井がコースレコードを更新するタイムでポールポジション獲得かと思われましたが、最後に14号車の福住が0.075秒上回るアタックを見せ、逆転。14号車は2022年岡山以来3年ぶりのポール獲得となりました。
GT300クラスは、Q1を2グループに分け、それぞれ上位9台がQ2へと進出。Q1のA組では、apr LC500h GT 31号車を駆る根本悠生が8番手、平中克幸のシェイドレーシング GR86 GT 20号車が9番手でQ2進出。
B組では野中誠太のGreen Brave GR Supra GT 52号車が2番手、吉本大樹のSyntium LMcorsa LC500 GT 60号車が6番手でQ2進出を決めました。Q2では吉田広樹の52号車がTGR勢最上位の7番手グリッドを獲得しました。
決勝
13日(日)は朝から雨模様となり、ヘビーウエットコンディションで午後1時10分より、セーフティカー(SC)先導で82周の決勝レースがスタートしました。
SCランは4周で終了し、5周目から本格戦が開始。しかし、水煙を巻き上げての混乱のなかで、6番手からスタートした石浦の38号車がスピンを喫し、避けきれなかった後続車が接触。激しいクラッシュとなり、レースは赤旗中断となりました。
30分強の中断の後にレースは再開。4周のSC先導の後に再スタートが切られると、11周目に2位の1号車坪井が14号車福住をパスし、首位に浮上しました。その後1号車は後続との差を広げ独走状態に。2位の14号車も3位との差を広げ、ワン・ツー体制となりました。
レース中盤になると、GT500クラスは全車がドライバー交代のピットイン。この時は断続的な雨で路面は乾かず、レインタイヤに交換してコースに復帰。しかし、終盤に入ると雨は止み、路面は乾いていくという状況となり、全車再度のピットインでスリックタイヤに交換して終盤戦へ。
66周目には6位走行中の19号車阪口がコースオフを喫し、グラベルに止まってしまったためSC導入。上位勢のこれまでに築いてきた大きなマージンは帳消しとなり、残り10周で再スタートが切られました。
1号車山下はこの再スタートも見事に決めて逃げ切り、トップチェッカー。ディフェンディングチャンピオンの1号車が昨年に続き2年連続で岡山を制覇。坪井/山下組は昨年から続いて3連勝となりました。
大嶋の14号車が2位でフィニッシュ。最後尾15番手スタートから追い上げ、ファイナルラップでもフェネストラズがふたつポジションを上げた39号車が3位に入り、GRスープラは開幕戦の表彰台を独占しました。14番手から追い上げを見せた37号車は3位でチェッカーを受けましたが、タイム加算のペナルティにより5位となりました。
GT300クラスでは、21番手と後方スタートながら最後までピットインを引っ張り、ぎりぎりでスリックタイヤへ交換するという戦略を決めたイゴール・オオムラ・フラガ/安田裕信組ANEST IWATA RC F GT3 26号車が2位でフィニッシュ。チーム、そしてドライバーのフラガにとっても初めての表彰台を獲得しました。同様の作戦を採った新田守男/高木真一組K-tunes RC F GT3 96号車が19番手スタートから6位、22番手スタートの堤優威/平良響組HYPER WATER INGING GR86 GT 2号車も10位フィニッシュを果たしました。
au TOM’S GR Supra 1号車ドライバー 坪井翔
「わりとウエットには自信を持っている方で、昨日の予選では本当に悔しい思いをしたので、今日は勝って終わらないと笑って帰れないと気合が入っていましたし、どんなコンディションでも絶対抜いてやるという強い気持ちでファーストスティントに臨みました。序盤から仕掛けることができたし、リードをしっかり開いた状態で、ドライアップしていくなかでウエットタイヤのコントロールとかも全てうまくいったので、昨日の借りは返せたかなと思います」
「決勝のペースはウエットにしても、ドライにしても自信を持っていたので、2番手からスタートできればチャンスはあると思っていましたが、荒れたタフな展開のレースだったので、セーフティカーのタイミングとか不安でしたけど、チームも本当にうまくまとめてくれて、作戦も完璧で言うことなしです。また次も頑張ります」
au TOM’S GR Supra 1号車ドライバー 山下健太
「坪井選手が十何秒もの大差を築いて自分に渡してくれたので、余裕をもって運転することができました。自分のスティントも、路面が乾いていく中でドライタイヤへ替えるタイミングの判断が必要だったんですが、そこもうまくいきました。最後セーフティカーが入って、残り10周ぐらいのスプリントレースみたいな感じになったんですが、落ち着いてしっかりタイヤを暖めて準備できて、セーフティカー明けから後続との差を広げることができたので、本当に全員完璧な仕事をしたレースだったなと思います」
ENEOS X PRIME GR Supra 14号車ドライバー 大嶋和也
「2番手でバトンを受け取って、前は離れていましたが諦めることなく、最後までプッシュしました。ペース的に少し1号車には届いていなかったかなというのはあります。ただ、チームとしてはノーミスでみんなが戦った結果ですし、今年新体制になった初戦で、2連覇しているチームと、ちょっと足らなかったですがいい勝負ができたということで、すごくチームの雰囲気はいいです。次はやり返せるんじゃないかという期待をみんなが持てていると思うので、しっかり今年中にやり返したいなと思っています」
ENEOS X PRIME GR Supra 14号車ドライバー 福住仁嶺
「今回、僕は前半スティントを担当しました。タイヤのウォームアップに苦しみ、1号車にすぐかわされてしまって、その後のペースも1号車に叶わず苦しいレース展開でしたが、その後の戦略とか、その辺も非常にチームは頑張ってくれたおかげで、大嶋さんに変わった後もいいレースができたことで、無事2位で終えることができました。悔しい2位ではありますが、次戦に向けていろいろ期待が高まったんじゃないかなと思います」
DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車ドライバー 関口雄飛
「自分のスティントは15位からだったんですが、かなりいろいろ難しいコンディションのなか、それなりにリスクを冒しながらでしたがどんどん前に行くことができました。セーフティカーが入ったりとかもありましたが、そんな中でも比較的順位を上げられたので、強いレースができたかなと思っています」
DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車ドライバー サッシャ・フェネストラズ
「自分が担当した2スティント目はとても難しいものでした。後半の40~50周はコンディションが刻々と変化してとても難しいものでしたが、エキサイティングでもありました。昨日の予選を思えば、表彰台で終われるなんて予想外の結果です。ただ今日のようなレースは、戦略を駆使すれば上位進出できるチャンスでもあると思っていましたし、レース中、壁に接触しそうになってヒヤリとした周もありましたが、結果には大変満足しています。チームにとっても、我々ドライバーにとっても、モチベーションの高まる良い結果でした。次戦の富士に向けてしっかり準備をして、良いレースをしたいと思います。アリガト」