ホンダ/HRC プレスリリース

STANLEY CIVIC TYPE R-GTが最上位の4位。雨の難コンディションのなか、ルーキー小出が力走

 4月12日(土)、13日(日)に岡山国際サーキット(岡山県)で2025年度SUPER GTシリーズ第1戦が開催され、GT500クラスに5台の2025年型シビック・タイプR-GTが出走しました。

 今シーズン、ホンダ・レーシング(HRC)は、昨年新規開発したシビック・タイプR-GTを5チームに供給して戦います。ドライバーの布陣は基本的に昨年から引き継がれています。

8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 野尻智紀/松下信治
16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 大津弘樹/佐藤蓮
17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT 塚越広大/小出峻
64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT 伊沢拓也/大草りき
100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT 山本尚貴/牧野任祐

 17号車は塚越のパートナーとして、小出がルーキーとして起用されます。小出はホンダのドライバー育成プログラムで育ち、昨年の全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権でシリーズチャンピオンになり、GT500クラスに抜てきされました。

 12日(土)午後、汗ばむほどの晴天の下で行われた公式予選で、シビック・タイプR-GT勢最上位につけたのは100号車(山本/牧野)でした。山本がQ1セッションを6番手で通過すると、マシンを引き継いだ牧野は自ら「ほぼ完璧」と語るタイムアタックを披露し、4番手ポジションを獲得。16号車(大津/佐藤)が8番手に続きます。

 一方、17号車はQ1セッションを担当した塚越が11番手タイムに終わり、ルーキー小出の出番はありませんでした。8号車(野尻/松下)が12番手、64号車(伊沢/大草)が13番手から、決勝レースに臨むことになりました。

 13日(日)の天気は一転して、朝から雨模様。13時10分にフルウエットコンディションのなか、セーフティカー(SC)先導で82周の決勝レースがスタートしました。しかし、グリーンフラッグが振られた直後、第1コーナーの先でスピンした車両があり、16号車(佐藤)がこの車両を避けきれずにクラッシュして大破するという波乱の幕開けとなりました。レースは赤旗中断ののち、13時55分にSC先導で再開。この時点で100号車(牧野)が3番手、17号車(塚越)が8番手につけていました。

 このころから雨が弱まり、徐々に路面コンディションが好転し始めます。17号車(塚越)は徐々に順位を上げ、3番手を走りながらもペースが上がらない100号車(牧野)に追いついていきました。

 34周目、100号車(牧野)がピットに入り、ドライバー交代、給油、タイヤ交換を行います。しかしタイヤ交換に手間取ってしまい、代わって17号車(塚越)がシビック。タイプR-GT勢の最上位に浮上します。17号車は45周を走ってピットインすると、ルーキー小出に引き継ぎました。

 52周目、GT500クラス全車がドライバー交代を済ませた段階で、17号車(小出)が4番手、8号車(松下)が6番手、100号車(山本)が9番手につけていました。このころ、路面がより一層乾き始めたため、各陣営ともにレインタイヤからドライタイヤへ交換するためのイレギュラーなピットインに追われます。

 GT500全車がドライタイヤへ交換を終えた段階で、17号車(小出)は4番手と変わりませんが、8号車(松下)が5番手、100号車(山本)が7番手となり順位を上げました。しかし、100号車の前を走っていた車両がコース上で停止し、3回目のSCが導入されたことで順位に変動が生じます。

 見かけ上の3番手にいた車両がレース結果に10秒加算のペナルティーを受け、さらにSC先導により車両の間隔が詰まったため、計算上のタイムで17号車(小出)が3番手、8号車(松下)が4番手、100号車(山本)が5番手に繰り上がったのです。

 SCは残り10周で解除となり、レースが再開されました。ルーキー小出は事実上の3番手を力走し表彰台を目指しましたが、後方から8号車(松下)と100号車(山本)をかわした39号車GRスープラが追い上げてきました。そして最終ラップのヘアピンで、またも波乱の展開が待っていました。

 17号車(小出)は後続の8号車(松下)を抑え込んでコーナーを通過しようとしましたが、8号車(松下)はわずかに空いていた17号車(小出)のインに飛び込みました。2台ともにブレーキングを遅らせた結果、ラインが膨らみ、その隙をついてインに飛び込んできた39号車が一気に2台をオーバーテイク。8号車(松下)はこれを追いますが、17号車(小出)はコースオフしてしまいました。

 4番手でチェッカーフラッグを受けた8号車(松下)でしたが、レース後に『危険なドライブ行為』を問われて40秒加算ペナルティーを科されました。そのため100号車(山本)が繰り上がって4位となり、これがシビック・タイプR-GT勢最上位となりました。8号車は7位に順位を下げ、17号車はチェッカーフラッグを受けることができなかったものの1周遅れの8位、64号車が9位に入り、選手権ポイントを獲得しました。

牧野任祐と山本尚貴(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)
牧野任祐と山本尚貴(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)/2025スーパーGT第1戦岡山

佐伯昌浩

「開幕戦の決勝レースは雨絡みになり、難しい展開になりました。最初からSCやフルコースイエローが多いレースとなりましたが、レース再開後にタイヤのウォームアップが遅く、温まってからもペースが上位には届かなかったことが課題として残りました。ルーキーの小出選手は問題なくGT500を乗りこなしていました。昨年GT300に乗ったことでオーバーテイクのタイミングなどを含めて、GT500をずっと見ていたからでしょう。最後は表彰台が見えていたので、39号車も含めて意地の張り合いのようなかたちになって残念なことになりましたが、あれはもうレーシングアクシデントととらえるしかないでしょう。太田(格之進)選手の代わりを担って頑張ってもらいたいと思います」

山本尚貴 STANLEY TEAM KUNIMITSU

「土曜日の走り出しから、あまりいいペースで走れませんでした。それでも予選で立て直し、なんとか表彰台が見えるところまでたどりつけたかなと感じていました。しかし決勝では思うようなペースで走れず、うまくいきませんでした。(いろいろなところで)少しずつ足りていないという状況が、開幕戦の結果に出ているように思います。GRスープラ勢にはっきりと差をつけられてしまい、その牙城を崩すのはかなり大変だと改めて感じました。もちろん、このまま終わるわけにはいかないので、HRCとともにもっといいクルマに仕上げて、チームと一緒にもっと頑張っていきたいです」

牧野任祐 STANLEY TEAM KUNIMITSU

「予選では、ほぼ完ぺきなアタックができたという手ごたえがありました。それでもトップからはコンマ2秒の差をつけられてしまいました。この差はレースでもっと大きくなったように感じます。決勝ではウエットタイヤのセットアップが思うように決まらなかったので、ほかのところでばん回しようと頑張りましたが、どうすればうまくいったのか、今でも分かりません。いずれにせよ、GRスープラ勢とはかなり差があるなと痛感した週末でした。ただ、岡山は元々GRスープラが速いサーキットです。ほかのサーキットでの勢力図はまだ分からないので、自分たちに足りていない部分を洗い出していきたいです」

小出峻 Astemo REAL RACING

「最終ラップのヘアピンには、コースの内側が多少濡れていることやブレーキの状態などを考えてラインを選んで進入したところ、イン側に8号車が入ってきました。自分としてはうまくクロスをかけて抜き返そうと思ったのですが、押し出されるかたちになってしまいました。どのラインが正解だったか分かりません。GT500デビュー戦での表彰台も見えていて、気持ちが先走ったことは否定できませんが、コンディションを含めてすごく難しいレースでした。これを糧に、今後こういうことがないように努め、チームを助けられる存在になれるように、ドライバーとしてもっと技術力をアップしていこうと思っています」

Astemo CIVIC TYPE R-GT
Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/小出峻)/2025スーパーGT第1戦岡山

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