RACE:2025 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE
DATE:予選:2025年4月12日 決勝:2025年4月13日
CIRCUIT:岡山国際サーキット(岡山県)
WEATHER:予選:曇/ドライ 決勝:雨・曇/ウエット・ドライ
RESULT:公式練習:7番手 予選:4番手 決勝:4位

2025スーパーGTシリーズがついに開幕。4月12、13日には、その舞台となる岡山国際サーキットにおいて『OKAYAMA GT300km RACE』が行なわれた。No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)は、予選4番手からスタート。決勝は不安定な天候のなかをしぶとく戦い抜き、4位入賞を果たした。

■予選日

 STANLEY TEAM KUNIMITSUのチームドライバーである山本尚貴と牧野任祐とのコンビは今年で6年目。オフシーズンはサーキットでのテストは当然のこと、日頃のトレーニングでもともに時間を過ごすなど、つねにレースでのベストパフォーマンス実現を意識し、さまざまなことに取り組んだという。

 なお、今年はTEAM KUNIMITSUがメインスポンサーのスタンレー電気株式会社様からサポートをいただくようになって、ちょうど30年を迎える。長年のご厚誼に対する感謝の思いを込めてマシンカラーリングを一新、より速く、さらに強いNo.100 STANLEY CIVICTYPE R-GTでの戦いを目指していきたいと、まずは岡山での善戦を誓った。

 搬入日にあたる前日の金曜は春らしい好天気に恵まれ、同様に、予選日も終日穏やかな天気となった。まず、朝一番に行なわれた公式練習は、9時30分にスタート。気温15度、路面温度23度のコンディションのなか、まず、山本選手がコースに向かう。

 途中、ピットでの作業を含め、およそ30分強のドライブを経て、今度は牧野選手がコースへ。GT300クラスの混走、さらにはGT500クラス専有の時間も含めて走行し、セッションの最後にチームベストタイムとなる1分17秒979をマーク。7番手につけた。

 その後、お昼に向けて気温が大きく上昇。14時に始まった公式予選では、気温は23度、路面温度は31度まで上昇する。GT500クラスのQ1は14時33分にスタート。

 10分間のセッションに挑むのは山本選手だ。なお、昨シーズンはQ1、Q2でのベストタイムを合算する方式が採用されたが、今シーズンは2023年まで採用されていたノックアウト方式が復活。一方で、Q2への進出は上位10台までとなり、ポールポジション獲得のチャンスが広がった。

 Q1でのアタックで、山本選手はセッションが終了する直前に1分17秒369をマーク、トップに立つ。しかし、チェッカーを受けながらタイムを更新するライバルが続いたため、最終的には6番手に。続くQ2は15時11分にスタート。担当した牧野選手は出走する全10台のうち5番目にコースへと向かい、アタックラップへ。計測4周目に1分16秒751のタイムで3番手につけ、さらにもう1ラップアタックへと向かう。そこでセクタータイムを更新し、1分16秒668へとタイムを縮めた。惜しくもポジションアップとはならず、明日、山本選手とともに4番手から300km先のゴールを目指すことになった。

 山本選手は予選日について「公式練習中、セットアップを含む作業は決して順調ではなかった」とコメント。そのなかでアジャストを行ない、予選に挑んだという。「ただ、アタックではベストを尽くすことができたし、オフの間のテストから調子が良さそうだった他のクルマと比較しても、彼らを射程圏内にとらえることができたと思うし、僕たちも進化していると感じている」と手応えを得られた様子だった。

 また、Q2のアタックで奮闘した牧野選手は、公式練習後、予選に向けての調整がうまく運んだことで、力を振り絞ることができたと言う。「アタック自体、力を出し切ったものだった。その上で、やはりトヨタ勢が強いという印象を得たが、一方で自分たちも最大限のパフォーマンスは出せたと思う」と自身のアタックを振り返った。

■決勝日

 予選日の夜遅い時点から雨模様になった岡山国際サーキット。当初の天気予報は、決勝日の昼までに雨が上がり、次第に天候が回復するというものだったが、実際は午後に向けて時折強い風を伴う本降りの雨となり、上空の大気もかなり不安定な状況だった。

 結果、11時40分からのウォームアップ走行はレースウィーク初のウエットタイヤを装着してのセッションとなり、どのチームも慌ただしく作業に追われることに。

 当然ながら、気温、路面温度も一気に下がり、決勝はタイヤを含むトータルパッケージでの仕上がりが戦いの流れを左右すると思われた。

 決勝直前のグリッドウォークでは小康状態だった雨は、13時10分の号砲を前に再び降り始め、恒例の岡山県警によるパレードラップも中止に。残念ながら、前日の穏やかな日差しとはまったく異なる空模様のなかでシーズン最初の戦いが幕を開けた。

 セーフティカー先導によるレースが始まり、5周目からは事実上の戦いがスタート。上位陣が順調にスタートを切るなかで、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTのスタートを務めた牧野選手は、すぐさま前方の24号車Zをパス、3番手へとポジションアップした。一方、6番手以降の車両による多重クラッシュが2コーナー手前で発生。

 FRO車両がコースへと向かったが、レースは赤旗となり中断する。13時55分にはふたたびSCランにてリスタート、11周目からレースが再開すると、牧野選手はポールポジションから2番手にポジションを落としていた14号車Supraを猛追、逆転を狙って周回を重ねた。

 その後もレースはSCやFCYの導入が行なわれるなど、荒れた展開が続く一方、トップ3はそれぞれの間隔が4秒以上開く小康状態となる。また、猛プッシュを続けていた牧野選手も32周目には後続の37号車Supraと17号車CIVICに先行を許すことに。

 これを受け、チームではライバルに先駆けてのピットインを決断。33周を終えてルーティンのドライバー交代、給油、タイヤ交換を行なった。

 この時点でまだ路面は乾いておらず、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTの足元にはふたたびウエットタイヤを選択。ところが、作業に思いのほか時間を取られてしまい、コース復帰後は11番手から追い上げを強いられる。レースは50周が近づくなか、大半の車両がドライバー交代を含むルーティン作業を終了。いよいよレース後半へと突入する。

 一方、ほぼ同じタイミングでコースアウトした車両からの失火を受けてFCYが導入されると、その後、68周目にはSCへと切り替わり、ふたたびレースは仕切り直しを迎える。クラス別に隊列を整えると、残り10周でのスプリントレースとしてリスタート。山本選手は前後車両との激し攻防戦を展開したが、ライバルたちより早くタイヤを交換していたために状況は厳しく、後方の39号車Supraが先行した。

 ところが、残り1周の時点で前方の2台が接触。うち1台が大きくポジションを落とすこととなり、山本選手は6番手でチェッカー。ようやくタフな戦いに終止符を打った。なお、レース後、上位の車両2台にタイムペナルティ等が課されたため、最終的に、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)は4位の結果を手にしている。

 なお、この時点で大半の車両は依然ウエットタイヤを装着していたが、次第に路面が乾き始め、終盤にはドライタイヤでのバトルが予想されるところまで改善。チームはポジションアップを目指し、早めの周にドライタイヤへの交換を計画。55周でピット作業を行ない、山本選手をふたたびコースへと送り出した。タイヤに熱が入るまでの間は存分なペースもなく、ガマンの走行が続く。だが、次第にウエットタイヤ勢を上回るラップタイムを刻み始めた山本選手は、着実な走りで66周目には6番手までポジションを挽回した。

●COMMENT FROM TEAM 小島一浩監督

「結果的に4番手ということで、ホンダ勢としてはトップで予選と同じ順位で結果を残せましたが、内容的にはいろいろと新生チームクニミツとしての課題が生まれたレースだったと思います」

「いろいろな形でそういったものをクリアして、次の富士大会ではより完璧な体制を構築して臨みたいと思います」

「決勝日は、朝から雨が降り、とても寒い中でもたくさんの方に応援をいただき、本当にありがとうございました。次戦の富士大会でも頑張りますので、またその時も応援の程よろしくお願いいたします」

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