DENSO KOBELCO SARD GR Supra 開幕戦岡山、逆襲の3位表彰台!
2025 SUPER GT 第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』(4/12〜13)
岡山国際サーキット(1周3.703km)
入場者数:予選8700名、決勝1万4500名、合計2万3200名
4月13日(日)、今季開幕戦となるスーパーGT第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』の決勝が行われ、クラス最後尾となる15番グリッドから勇猛果敢に勝利を狙っていったスタート担当の関口は、雨でセーフティカー(SC)スタートとなった波乱の荒れた展開の中で実質のレーススタート直後で1台をパス。その後赤旗中断、FCYやSC導入され路面も刻々と変わる難しいコンディションの中でプッシュを続け順位を上げた関口は、46周目に暫定6位でピットイン。
交代したサッシャは、路面がドライアップしていく中でウエットタイヤで前とのギャップを大きく削り一瞬で仕留める活きの良い走りを披露。57周目ターン9出口でタイヤバリアまでオーバーランして一瞬ヒヤリとしたが、61周目にドライタイヤに交換。その後FCYからのSC導入となり最後に再び競技が仕切り直し。3位から連なる集団の中で7位でクレバーにチャンスをうかがいながら前を攻め立てプッシュを続けたサッシャ。
残り2周で1台をかわし最終ラップで2台をパスした結果、逆襲の3位表彰台を獲得した。ドライバーポイントは11点を獲得、チームポイントは14点を獲得しランキング3位とチカラの限りを尽くしてもぎ取った2025年シーズン開幕戦の結果となった。次戦第2戦は5月3日(土)・4日(日)に富士スピードウェイにて開催される。
■事前情報
いよいよ2025年シーズン開幕を迎える。4シーズン目の関口雄飛と若手ながら実力者のサッシャ・フェネストラズの新コンビ、チーフエンジニアに阿部和也が加入と新たな体制を6シーズン目となる脇阪寿一監督が率いる。このオフシーズンテストでは雨が多くドライのデータが不足気味ではあるが、クルマを丁寧にしっかりと仕上げてきたDENSO KOBELCO SARD GR Supra。新体制での初陣となる開幕戦へ向けてコツコツと地道に細かな準備を続けてきており、気持ちも新たに挑む今季の開幕戦となる。
舞台となるのは岡山県東部の山間部・美作市にある岡山国際サーキット。4月12日(土)午前に公式練習、午後にはノックアウト方式(Q1、Q2)に今季戻った公式予選、13日(日)決勝は13時10分スタートの300km(82周:約2時間)で争われ、ドライバー交代を伴うピットストップは1回が義務付け。サクセスウエイトは各車とも0kgのノーウエイトで足かせのないイコールコンディションとなる。
岡山国際サーキットは中低速中心のテクニカルコースで、1周約3.7kmとコース距離が短くコース幅も狭い。スリリングなパッシングシーンが手の届きそうな目の前で見られ、迫力と興奮が味わえるサーキット。山間部にあるため、この季節は遅めの桜がコースサイドを彩る美しさも楽しめる。昨年は2番グリッドから賞賛の2位表彰台を獲得したDENSO KOBELCO SARD GR Supra。脇阪寿一監督のもと、新体制となった今シーズンの初陣でチーム一丸となって開幕ダッシュを決めるべく、チカラの限りを尽くして勇猛果敢に挑み勝利を狙っていった。
■公式練習走行
12日(土)9時30分から開始された公式練習走行は、気温15度/路面温度23度。最初の85分間の混走セッションではサッシャが、まず持ち込んだ中でソフト側のドライタイヤを装着してクルマとタイヤのチェックを行い、8周目に1分18秒366の7番手タイムをマーク。セット調整の後に続いて関口が20周目からステアリングを握ってクルマのフィーリングを確かめた。日が高くなるとともに路気温も上昇する中で、セット調整と比較的に安定した速いペースでのロングラン評価を続け、混走セッションはトータル45周と走り込み、最初にサッシャが8周目にマークした1分18秒366のタイムで9番手となった。
10分間のGT500単独セッションではさらに路気温が上昇し、気温20度/路面温度30度に。関口は新品のハード側のドライタイヤを装着して予選のアタックシミュレーションを実施。この単独セッションでは6周を走行。さきの混走セッションのベストタイムからは、コンディション変化の影響かセクター1のみで区間タイムの更新にとどまり、5周目の1分18秒742が単独セッションのベストタイムとなった。
結果、公式練習走行はトータル51周を走行して、混走セッションでのベストタイム1分18秒366で10番手となった。クルマについてドライバーふたりともが若干違和感を持つコメントがあり予選までに原因を究明することとなった。公式練習走行の後にFCYテストのセッションが15分間設けられFCYリミッター動作とFCY手順の確認で10周ほどの走行を行った。
■公式予選
Q1:関口が不運なアタック不発の15位に
12日(土)14時33分から開始されたノックアウト方式となる公式予選Q1。予選で使用できるタイヤはQ1、Q2で各1セットに戻った。Q1突破は10台までと2台枠が拡大された今年の予選方式。この季節としては若干低めの気温23度/路面温度30度と予想よりも上がりきらないコンディションの中で、コースオープンしてから1分ほど待ってからピットを出た関口は、今回持ち込んだ中でソフト側のタイヤを装着。丁寧にしっかりとタイヤの表面だけではなく芯まで温めるウォームアップを4周実施して、アタックすると決めた5周目のセクター1をまず午前中の自己の区間タイムを更新してきた。
続くセクター2のターン8にて外側に膨らんでしまいトラックリミットオーバー(走路外走行)の判定で、この周のタイムは無効となってしまう。あと10秒でチェッカーの前に何とかコントロールラインを通過でき、気を取り直して6周目のアタックにかけた関口。セクター1は同等タイムで駆け抜けセクター2は前周からコンマ6秒近く削ってきた。だが、不運にもアタックを終えたスロー車両にダブルヘアピンで遭遇してしまった影響かセクター3での区間タイムを十分に出せず。2回目のアタックもまさかのアタック不発となってしまい万事休す。
結果、DENSO KOBELCO SARD GR SupraはQ1で15番手タイムとなり決勝はGT500クラスの最後尾からのスタートとなった。クルマの違和感は完全には解消されておらず、ドライバーがコーナー毎の動きの僅かな違いなどを感じており、一層の原因究明と対策が急務となり、クルマをイチから見直すべく、夜まで作業を施すこととなった。
■決勝
ウォームアップ走行
13日(日)11時40分から開始された20分間のウォームアップ走行は、雨で気温11度/路面温度14度の肌寒いウエットコンディション。最初に関口が5周走行。続いてサッシャが6周目からチェッカーまで走行。ウォームアップはトータル11周を走行して、サッシャが10周目にマークした1分38秒108の6番手で決勝への準備を整えた。
決勝レース
第1スティント:関口が大きく順位を上げる快走
13日(日)、13時10分決勝スタート時点は気温11度/路面温度15度の冷たい雨が降るウエットコンディション。岡山県警察先導のパレードランはキャンセルとなり、セーフティカー(SC)先導でのスタートとなった。5周目実質のレーススタート直後の1コーナー出口付近で多重クラッシュが発生して3台がリタイアする波乱の荒れた展開の中で37号車をパスして11位浮上。その後約33分間の赤旗中断のち、FCYや再びSC導入などで14周目には9位に。
19周目のリスタートで8位に順位を上げると5位を争う集団に加わり、路面が刻々と変わる難しいコンディションの中でプッシュを続けた関口。29周目に24号車を抜き7位、100号車がアンダーカットの早めのピットインで6位に順位を上げた関口は、雨の中でも力強い走りをみせて快走を続けた。路面状況がドライを履くコンディションまで回復する見込みがまだなく、現在のラップタイムも落ちてきたことから46周目に暫定6位でピットイン。ドライバー交代と別のウエットタイヤに素早く交換してサッシャを戦列に送り出した。
第2スティント:サッシャがラスト2周で大逆転の3位表彰台獲得!
約30秒ほどの素早いピットワークで戦い戻ると、サッシャは驚異的なアウトラップで前とのギャップを大きく削る走りで5位に。交代したサッシャは、路面がドライアップしていく中でウエットタイヤで前とのギャップを大きく削り一瞬で仕留める活きの良い走りを披露。57周目T9出口でタイヤバリアまでオーバーランして一瞬ヒヤリとして2台(23/8号車)の先行を許したがたが、59周目には再び8号車をかわして6位に。
ドライアップしていく路面状況をみて、61周目にドライタイヤに交換。その後66周目にコースオフ車両があり、FCYからのSC導入となり最後に再び競技が仕切り直しに。リスタートすると3位から連なる集団の中、7位でクレバーにチャンスをうかがいながら前を攻め立てプッシュを続けたサッシャ。残り2周で100号車をかわし最終ラップでオーバーシュートした8号車と17号車をパスし、37号車に10秒加算のタイムペナルティがあった結果、逆襲の3位表彰台を獲得した。
ドライバーポイントは11点を獲得、チームポイントは14点を獲得しランキング3位とチカラの限りを尽くしてもぎ取った2025年シーズン開幕戦の結果となった。次戦第2戦は5月3日(土)・4日(日)に富士スピードウェイにて開催される。
関口雄飛
「予選で15位になってしまって、チームのみんなが決勝に向けて遅くまで作業してクルマをイチから見直してくれました。決勝は難しいコンディションの中、それなりにリスクを冒してどんどんと行けて、チームとしては苦しい状況の中で、いまあるポテンシャルを出し切れて強いレースができたと思っています。ただ、次の富士までの間にまだまだやらなくてはいけないことがあるので、インターバルの間に解決してスッキリさせたいです」
サッシャ・フェネストラズ
「決勝終盤にポジションを上げることができ最終的に3位を獲ることができて、とってもうれしいです。クルマに問題を抱えていて、それをまだ解決できていなかったんです。予選終わった後にチームは夜遅くまで懸命に問題解決に努めてくれました。結果、決勝でのクルマは良くなっていました。ただ、次の富士の戦いを考えるとまだ改善できることはあるので、しっかりと準備しなければいけないです。決勝はコンディションが目まぐるしく変わり、コースオフやクラッシュも多く見られましたが、しっかりと生き残って結果を残せて良かったです。次の富士もガンバリマス!」
監督 脇阪寿一
「シーズンオフのテストを進めていく中で、クルマに気になっていたことが公式練習、公式予選と進むにつれ露わになり予選後にクルマを再検証しました。その中でドライバーふたり、エンジニア陣、メカニックの皆んなが一緒になって夜遅くまでクルマについて考えてイチから仕上げ直して臨んだ決勝。15位からスタートし、さまざまなアクシデントが発生する難しいコンディションの中、チーム一丸となり強いレースで表彰台へとたどり着くことができました。新しい体制での初陣、レース結果と内容に満足しています。クルマについては問題箇所が完全に解決したわけでないので、次の富士までに解決できるように取り組みます。今回、雨の中でも大きな声援を頂きました皆様、ありがとうございました。引き続き、第2戦富士もどうぞよろしくお願いします」