4.12[sat] -13[sun]
[place]岡山国際サーキット(岡山県美作市)
[weather]晴れのち曇り/雨のち曇り
[spectators]2万3200人(8700人/1万4500人)
au TOM’S GR Supra レースレポート
予選ではポールポジションを逃すも、決勝では王者らしい強さでライバルを圧倒。3連覇に向け、シーズン開幕戦で優勝を飾る。
2025 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACEが、4月12日(土)、13日(日)に岡山県の岡山国際サーキットで行われた。前人未到の3年連続チャンピオンを狙う#1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は、予選でライバルの先行を許して2番手に終わるも、決勝ではレース序盤にトップを奪い、その後も安定した走りで他を圧倒し、シーズン初戦を制した。
予選
天候:晴れのち曇り/気温:15℃/路面温度:23℃
昨シーズンは3勝を挙げる活躍でチャンピオンに輝いた1号車。2025年も坪井と山下のコンビは変わらず、チーム3連覇を目指して戦っていく。3月に行われた公式テストでは天候に恵まれずドライコンディションでのテストが十分にできなかったが、晴天となった予選日では公式練習から積極的に走り込み、マシンとタイヤの確認作業を行ったなか、坪井が1分17秒278でトップタイムを記録し、順当なスタートを切った。
今年の予選はノックアウト方式に戻り、Q1の上位10台がQ2へ進出し、ポールポジションをかけて争う。1号車は山下がQ1を担当して1分17秒157でトップ通過を果たすと、続くQ2では坪井がタイムアタックを実施。コースレコードを塗り替える1分16秒516をマーク。ポールポジションは確実かと思われたが、その後ろを走っていたライバルに0.075秒逆転され最終的に2番手で終わった。トップを狙っていただけにふたりとも悔しい表情をみせていたが、決勝での逆転に自信をみせていた。
決勝
天候:雨のち曇り/気温:13℃/路面温度:15℃
決勝日は一転して朝から雨が降り続け、ウエットコンディションでのレースとなった。安全を考慮してセーフティカーの先導のもとスタートされたが、追い越し禁止が解除された直後に後方で複数台が絡むアクシデントが発生して赤旗中断となった。
30分の中断を経て再開されると、スタート担当の坪井が11周目にライバルを抜いてトップに浮上。その後も安定したペースで周回を重ねた。後半に入った52 周目にピットインし山下に交代すると、終盤になって天候が回復したこともあり63周目にドライタイヤに交換。チームもミスなく1号車を送り出し、後続との差を順調に広げていた。
そのまま優勝まで走り切るのみだったが、残り15周のところでコースオフ車両が発生したことでセーフティカーが導入され、それまで築いていた約20秒のリードがリセットされた。それでも、残り9周で再開されると山下がファステストラップを更新する勢いでライバルを圧倒し、シーズン開幕戦を制するトップチェッカーを受けた。
坪井翔
「予選でポールポジションを獲れなかったのはものすごく悔しいです。僕たちは手堅く2周連続でタイムアタックをしましたが、1周だけに絞るなど、バリエーションがあったかもしれませんし、もう少し自分の走りでまとめられたこともあったと思います。とはいえ、決勝ではどんなコンディションになっても1号車は強いという自信がありました。ウエットコンディションになればチャンスがさらにあると思っていたので、序盤にライバルを抜くことができました。そこからは10 秒以上引き離すことができ、タイヤマネジメントもしながらうまくできたと思います」
山下健太
「予選では自分がQ1を担当しました。タイムアタックする周回数を絞るなど、もう少し坪井選手に伝えられていれば良かったと思うところはあります。自分のアタックも含めて、もう少しうまくやれていればトップを獲れた可能性があったと思います。決勝では坪井選手が10秒引き離した状態で僕に渡してくれたので、落ち着いて臨むことができました。終盤にセーフティカーが入り仕切り直しになりましたが、しっかり集中して走ることができました。全体的に完璧なレースだったと思います」
監督 伊藤大輔
「予選は非常に惜しかったです。ポールポジションを獲りたかったですけど、開幕戦をきちんと最前列からスタートできることを考えれば、全体の中では良いスタートだと思います。決勝はコンディションが変わっていく難しいレースでした。そのなかで自分たちのプランを突き通すのか、周りの動きに合わせるのかで悩む場面はありましたけど、結果的にうまくできた完璧なレースだったと思います。それ以上にドライバーふたりがミスなくスピードのある走りをしてくれましたし、2 回ピットストップがあったなかでチームも素早く作業ができました」
チームオーナー 舘信秀
「3連覇を狙うシーズン開幕戦で盤石なレースをみせてくれました。予選でポールポジションを獲得できなかったことは残念でしたけど、決勝は本当に強くて良いレースでした。幸先の良いスタートを切ることができたと思います。最後のセーフティカーで展開がいろいろと変わりましたが、今回は37 号車も力強い走りを見せてくれたので、今シーズンはこの2台でワン・ツーフィニッシュを達成できればと思います。次戦も、たくさんの応援をよろしくお願いいたします」
Deloitte TOM’S GR Supra レースレポート
14番グリッドから追い上げ3番手でチェッカー。タイムペナルティで最終的に5位に下がるも、次戦に期待が膨らむ好走を披露。
2025 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACEが、4月12日(土)、13 日(日)に岡山県の岡山国際サーキットで行われた。#37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)は、予選では不運もあり14番手に終わるも、雨模様で始まった決勝レースで力強い追い上げを披露。3番手でチェッカーフラッグを受けたが、10秒加算のタイムペナルティにより最終結果では5位となった。次戦につながる高いパフォーマンスを開幕戦で発揮した。
予選
天候:晴れのち曇り/気温:15℃/路面温度:23℃
昨シーズンは2勝を飾る活躍でランキング5位を獲得した37号車。今年も笹原とアレジのコンビでトップを目指していく。シーズン前の公式テストから上位に食い込むタイムを記録するなど好調さがうかがえる走りをみせていた。ドライコンディションで行われた公式練習でも調子を維持し、セッション序盤から上位につけるタイムを記録した。セッション中盤はアレジが走行を担当して決勝を見据えたロングランの確認も行い、好ペースを記録。最終的に4番手でセッションを終えた。
午後の公式予選では笹原がQ1のタイムアタックを担当した。マシンの調子は良かったのだが、コース上が混雑した影響で前にいた車両に詰まることとなり、ベストタイムは1分17秒767。14番手でQ2進出を逃す悔しい結果となった。本来の実力を発揮しきれない予選となったが、決勝レースでの追い上げを目指して、チーム一丸となって準備を進めた。
決勝
天候:雨のち曇り/気温:13℃/路面温度:15℃
決勝日は一転して朝から雨が降り続け、ウエットコンディションでのレースとなった。安全を考慮してセーフティカー先導のもとスタートされたが、追い越し禁止が解除された直後に後方で複数台が絡むアクシデントが発生して赤旗中断となった。
30分の中断を経てレースが再開されると、37号車のスタート担当だった笹原が次々と前のマシンを抜いて順位を上げていった。その最中に後ろにいたライバルと走行ラインが交錯して相手がコースオフしたことで『危険なドライブ行為』という判定を受け、レース結果に10秒加算のペナルティが出された。
それでも上位を狙う勢いは止まらず、アレジに交代したタイミングで3番手に浮上。残り20周の時点で後続との差が30 秒あり、表彰台フィニッシュの可能性も出てきていた。しかし、残り15周のところでコースオフ車両が発生してセーフティカーが導入され、これまでのリードがリセットされることに。3番手を守ったままチェッカーを受けたが、タイムペナルティにより最終的に5位でレースを終えた。
笹原右京
「決勝は前半が雨でしたけど、シーズンオフのテストから雨のコンディションには自信はありました。ただ、レースは82周と長丁場だったので先のことも見据えて攻めないようにする場面もありましたけど、冷静に状況をみてオーバーテイクもたくさんできました。クルマもタイヤも本当に素晴らしかったです。タイムペナルティに関しては、自分としては押し出したつもりは全くありませんでした。チームも納得がいっていないです。良いレースができていただけに残念です」
ジュリアーノ・アレジ
「公式練習ではロングランもやって調子が良かったです。専有走行では履いていたタイヤの特性上タイムは出ませんでしたが、予選に向けては自信がありました。だからこそ、前にいたクルマに引っかかって右京がタイムを出せなかったのは悔しいです。決勝の終盤は2番手のライバルの背後にいてトライはしましたが、オーバーテイクがしづらいサーキットなので難しかったです。ペースが良くてもリザルトに残せなかったのは残念です。次戦の富士で必ずリベンジします」
監督 ミハエル・クルム
「予選Q1で敗退になったことはショックではありましたが、クルマの調子は良かったので14番手から追い上げていきたいという気持ちで決勝レースに臨みました。本当は表彰台まで行きたかったですけど、最終的に5位で終えられたのは良かったと思います。今回はドライバーもそうでしたし、チームも完璧な仕事をしてくれました。僕たちとしては3位を獲れただけの走りができたと思っています。今回ペースが良かったことは、今後に向けては間違いなくポジティブなことですし、次戦の富士につながると信じています。この悔しさをリベンジしたいです」
チームオーナー 舘信秀
「タイムペナルティがあって最終的には表彰台に届きませんでした。それでも内容を見ると非常に良かったと思います。昨年は苦しんだところもありましたが、今年はテストから着実に良くなっていると実感できており、実際に決勝レースでも良いペースで走っていました。この流れで次こそは良い結果を出したいですし、今回優勝した1号車とともに、シーズンのどこかでワン・ツーフィニッシュを達成したいと思います。次戦も、たくさんの応援をよろしくお願いいたします」