更新日: 2017.07.22 08:53
GT300の中盤戦覇権争いは!? AMG勢優位か、JAF-GT、注目のあのドライバーの覚醒は
■序盤戦苦戦のチームの逆襲も?
一方で、SUGOテスト、鈴鹿テストという2回のテストで、確実に進歩を遂げたチームもあった。オートスポーツNo.1460では“眠れる獅子の目覚めはいつか?”と題された、Hitotsuyama Audi R8 LMSと柳田真孝だ。
序盤戦で苦戦したHitotsuyama Audi R8 LMSは、アウディR8 LMSというマシンに対して柳田が馴れていない部分もあったが、SUGO、鈴鹿のテストで「かなり乗れてきている」とチームも柳田自身も手ごたえを得ているようで、鈴鹿では柳田もチームメンバーも表情がかなり明るかった。また、鈴鹿では昨年エンジニアを務めていたWRTのピエール・アルナードがひさびさに担当し、気付いた部分も多かった様子だ。SUGO、そして鈴鹿とも要注目の一台になるかもしれない。
また、アウディで言えば、TAISAN SARD R8 FUKUSHIMAをドライブした元F1ドライバーのクリスチャン・クリエンも、第6戦鈴鹿では注目の存在だろう。クリエンは2015年にGT500クラスのLEXUS TEAM SARDの第3ドライバーとして起用されたが、その時は残念ながら走行機会がなかった。
しかし、鈴鹿公式テストではドライに転じたセッション2で26周をこなすと、2日目午前のセッションでも26周を走り、セッション4でも6周。いずれもトップ10タイムをマークしている。レギュラーの山田真之亮、ジェイク・パーソンズともに好走すれば、鈴鹿での上位進出もあり得る。
テストだけに一発のタイムだけでは分かりづらい部分もあるが、精力的に周回を重ねた埼玉トヨペットGreenBraveマークX MCもセッション3では3番手タイム、マッハ車検 MC86 GTNETもセッション4で2番手タイムをマークするなど、JAF-GTマザーシャシー勢も今後に向けて好材料を得ているのは間違いない。また、VivaC 86 MCもSUGOテストからフロントフェンダー後端を改良している(ただ、「切っただけ」なので加工費は非常にローコストだったようだ)。一方で、シンティアム・アップル・ロータスがSUGOテストでクラッシュを喫し、鈴鹿を走れなかったのは、昨年Q1最速だっただけに痛いところだろう。
当然、JAF-GT勢が狙うのは、得意とする第4戦SUGO。今回エアリス径が拡大されたTOYOTA PRIUS apr GT勢は前半戦のような戦いぶりではないはず。また、GT3勢は第5戦富士に照準を合わせているチームが多い。今季好調のポルシェ勢は富士がメインターゲットになるかもしれない。それを経ての鈴鹿だけに、先述の河野エンジニアの言うとおり、第6戦鈴鹿で各車がどんな条件で臨むかは読めない部分も多い。一方で、エクストラポイントがある鈴鹿は、各チームとも上位フィニッシュを狙いたいレースのひとつだ。
もちろん、今回挙げたチーム以外にも強豪ひしめくGT300だけに、誰が上位に来てもまったく驚きはない。この夏の3連戦のGT300クラスの動向は、ファンにとっても大いに注目と言えるだろう。