【水瀬きいチーム激励連載】クラッシュとアクシデントの大きな代償:スーパーGT第4戦GT300編
■DIJON RACINGの場合
続いては、第4戦SUGOの3回目のセーフティカーの原因となってしまったDIJON RACING。田中勝輝選手がドライブしていた植毛GT-Rが最終コーナーでバリアにクラッシュしてしまいましたが、高森博士選手にお話を聞いてきました。えっと、今日は前回クルマがお怪我をされたチームにエールを送りにきました。
「余計なお世話です(笑)」
……スイマセン。そういう企画なもので。クルマのお怪我はどの程度だったんですか?
「損傷は、まずドライバーの心ですね。スタートドライバーが田中選手で、後半担当が僕だったんですが、ちょうど路面がウエットからドライにチェンジオーバーしそうなところだったんです。監督が『プッシュ! フルプッシュでいけ!』と指示したんですが、ピットインする周に、最終コーナーのバリアにピットインしました」
な、なるほど。だそうですが、そばで聞いていた田中選手によれば「監督の指示どおりにしました」だそうです。続けて高森選手から損害額をおうかがいしました。
「クルマは左フロントから、わりとバリアと平行に接触しているので、クルマのダメージは比較的少ないです。損害額としては僕の月給くらいですね(笑)。クラッシュ後、僕はレースも走っているくらいなので損害は軽微ですが、部品代で400万円くらい。部品発注とスーパー耐久のテストデーもあったので、1週間はかかりましたね」
マジっすか? それはどちらに驚いていいことやら。さらに高森選手からは、驚きのエピソードが……。
「レース中、クルマが直ったかどうか確認してくれと言われたので乗ったんですが、慎重にみんなの10秒落ちでいけて、『問題ないよ』と伝えたんです。で、トップが何秒で走っているか聞いたら、1分22秒台と言われた。そこで22秒で走って『クルマ問題ないよね。ピット戻っていいよね』と聞いたんです。そうしたら『いまあと片付け中でジャマだから、チェッカーまで走って』って言われました(笑)。実話ですよ」