更新日: 2018.04.03 10:50
特徴は“レースでの強さ”/GT300マシンフォーカス:ポルシェ911 GT3 R
昨年はExcellence Porscheとしてポルシェ911 GT3 Rを走らせ、今季はD’station Porscheを走らせるKTRだが、今季加入した藤井誠暢はシーズン序盤のテストで「ポルシェはこうして走らせれば速くなる」というセットアップを追求。それが第2戦富士での表彰台にも繋がった。
また、今季は他のGT3カー(メルセデスベンツAMG GT3やBMW M6 GT3等)と同様、本格参戦2年目を迎えタイヤとのマッチングが進んだことにより、パフォーマンスが上がっている。
さらに、他のGT3カーと比較すると“特徴がはっきりしている”のも、このポルシェ911 GT3 Rの特徴なのかもしれない。
藤井、そして武田監督とも口を揃えるのは「レースでの強さ」だ。タイムの落ち込みやタイヤの消耗も少なく、コースによってはリヤのみの2本交換も可能。実際、昨年のExcellence Porscheの頃も山野直也はしばしば同じ内容を口にしていた。
中盤戦は他のGT3とはタイムが接近しており、第2戦同様の追い上げを目指した第5戦では、同じパターンにすることはできなかったが、500kmや1000kmのレースでは強みを発揮するかもしれない。逆に言うと、予選での一発のタイムが出しにくく、そこは課題と言える。
その他の特徴としては、RRレイアウトによりウエットが比較的得意。ヨコハマ勢は今季ウエット時のパフォーマンスではやや苦しい部分もあるが、武田監督は「ウエットでも大丈夫」だという。
得意なコースレイアウトは富士やもてぎ、ブリーラムのようなレイアウト。鈴鹿やオートポリスのような中高速は少々“苦手”な範囲になるかもしれない。
そしてこのGT3 Rは、ポルシェのモータースポーツ活動のなかでもカスタマーレーシングの入口としての性格をもっており、カレラカップで使用されるGT3 Cupから違和感なく乗り換えることができるという特徴もある。
第4戦SUGO、第5戦富士とD’station Porscheをドライブした元嶋佑弥も「カップカーと基本は似ていて、違和感なく乗ることができました」という。カレラカップの経験をもち、昨年GT3 Rに乗った山野も同様のコメントを残している。
カレラカップで腕を積み、GT300やブランパンGT等にステップアップする……というドライバーにとって、ポルシェ911 GT3 Rは理想的な1台でもあるのだ。