実は今回、スタート直前のウォームアップでKeePerにオイル漏れのトラブルが発生したという。

「完璧な週末でしたけど、誤算があったのはスタート前のウォームアップ走行でオイル漏れがあったこと。結構な量が漏れていたので、『これは終わった』と思ったんだけど、オイルタンクの蓋が走行中に外れたことが原因だったみたいで、大きな問題にならずにすんだ。そんなこともありまして、ちょっとドキドキだったんですけど結果的には大丈夫でした」
トラブルとミスがなければ、と関谷監督はタイトルに向けて十分な手応えを感じている様子。一方、そのトムスを追うのは、かつてトムスで2度ドライバーズタイトルを獲得した脇阪寿一監督率いるWAKO’S。寿一監督はどんな思いで最終戦に臨むのか。
「このタイ戦は37号車(KeePer TOM’S LC500)が優勝しているので、悔しいと言えば悔しいですけど、事前に想定したとおり表彰台を獲得できてみんな頑張ってくれた。だけどやっぱりちょっとした作業ミスやロスもあったので、いろいろ考えないといけないと思っています。われわれは勝負に行って、毎回2位。やっぱりちょっと何かが足りないんだと思う。そこをチームのみんなでひとつずつ、つぶしていきたいと」と厳しい表情の寿一監督。
「最終戦はまずはチャンピオン争いができるということが、今のチームルマンには大事なことだと思っています。名門チームのルマンは昔の話で、われわれはこれから発展していくチャレンジャー、挑戦者なので、トムスには胸を借りるつもりで頑張りたいと思います」と、古巣とのタイトル争いについて語る寿一監督。
果たしてトムスvsルマンの同門対決はどのような結末となるか。今回のタイ戦が、その前哨戦のような形になったのかもしれない。