
■「支えてもらった思いを自分も」国本雄資の決意
寿一を後押しすることになったのは、ふたりのモータースポーツ仲間の思いだ。まずひとりは、スーパーGT500クラス、スーパーフォーミュラで活躍する国本雄資だ。国本はカート時代からその持ち前の速さを期待され、国内トップカテゴリーにステップアップしたものの、思うような成績を残せなかった。とくに昨年は、両カテゴリーともに苦しい戦いを強いられた。
そんな国本は昨オフから、「僕自身なにか変わらなきゃいけないと思い、私生活やトレーニングを見直してきました」と、非常に厳しいトレーニングを積み、心身ともにハードなオフを過ごしてきた。そしてその成果は、スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿で、2位表彰台という結果に表れた。
そして、国本はその2位表彰台獲得で得た賞金の一部を、『SAVE JAPAN Action! KUMAMOTO』を通じて熊本地震の被災地支援に役立てたいと寿一に申し出た。「自分が苦しいなかで多くの人たちの助けや支えがあって、鈴鹿で表彰台を獲ることができた。自分が困っているときにまわりに支えてもらったので、熊本の人たちが困っているときに、支えになるようにしたいと考えました」と国本は言う。
「僕たちがいつもオートポリスでレースがあるたびに訪れる熊本で、こういった地震が発生してしまった。被災された皆さんが一日も早く復興して欲しいと思っています」