決勝レースはセーフティカースタートとなり、3周目にセーフティカーが外れて、実質的なレースがスタートしたのですが、いまだ路面は乾かず、ドライ用タイヤを履いた国本雄資選手は我慢のレースを強いられることになりました。
6周目に周回遅れにされ、悔しさを我慢しながら走る国本雄資選手でしたが、路面が乾き始めてからは、一気にうっぷんを晴らすかのごとくペースアップ。12周目にはウエットタイヤ勢より1周10秒近く速いペースで周回を重ね始め、29周目にピットインして関口雄飛に交代。上位陣を上回るハイペースで周回を重ね、ポジションを上げます。

序盤にウエットタイヤを装着した上位陣は、14周目あたりからドライタイヤに交換したため、ひとりのドライバーの規定周回数に満たず、2ピットが強いられます。その隙を突いてファステストラップを連発しながら追い上げる関口雄飛。しかし途中、タイトル争いをする日産勢に厳しくブロックされ、自分のペースで走れない状況が続きましたが、それらをパスして、さらに上位を目指しました。
最終的にポイントには届かず、12位完走でチェッカーを受けました。レース後、坂東正敬監督は、「予選から自分たちに流れが向いてなかったですね。あのグリッド順位で、あのタイミングでスタート前に雨が降り出したのも、運が悪かったです。
スリックタイヤで行かせたのは、もちろん勝算あってのことでしたが、あと15分早く乾いてくれたらと、残念でなりません。国本選手は辛いポジションで頑張って耐えてくれたし、関口選手も素晴らしい頑張りを見せてくれました。フリー走行のタイムを見ても、終盤の関口選手のペースを見ても、決して我々はここで遅くはなかったと思います。運がなかった、としか言えないですね」と残念そうに語りました。
■関口雄飛のコメント
「スタート前のフリー走行で、マシンにもタイヤにもまったく問題がないことがわかっていたので、決勝には自信を持っていたのですが、まさかスタート直前に雨が降ってくるとは思ってもいませんでした」
「でも雨はすぐに止んだので、路面は必ず乾くと信じ、スリックタイヤでスタートしました。国本選手が頑張ってくれたのですが、あのウエットタイヤを装着したGT300の集団に飲み込まれてしまったら、どうしようもありません。乾き始めてペースが上がり、我々の本来のスピードが戻ってきたので、あとは全力でプッシュでした」
「途中、ニスモのマシンに前を阻まれ、厳しいブロックをこじ開けるのにちょっとタイムロスした以外は、攻め切れたレースだったと思います。ポイント獲得がならなかったのは残念ですが、最終戦に向けてマシンの速さは充分に感じていますし、最後は絶対に勝って終わりたいと思っています。応援ありがとうございました」