■「勝ちにいくというよりも、まずは周囲に迷惑をかけないように」
「僕の役目は監督もやりますが、木村さんのコーチ役の方が大きいかもしれないですね。木村さんを“最速のジェントルマンドライバー”にすること」とコッツォリーノが語るように、今季CarGuy Racingの目標はスーパーGTというプロが戦う舞台で、木村がレースでの経験を積み、将来の夢に向けてステップアップさせることにある。
「私自身も初めての経験ですし、ジェントルマンドライバーであることも自覚しています。そのなかで参戦させていただくという気持ちでいます。なので、勝ちにいくというよりも、まずは周囲に迷惑をかけないように、きちんとレースを成立させていくことが大切です。その上でポイント獲得だったり、あわよくば成績が残ればいいとは思っています」と木村も語っている。
「いずれにしろ、スーパーGTに挑戦する……という意識はあまりなくて、スーパーGTという日本最高のGTレースに一緒に参戦させていただいて、CarGuyという知名度を一緒に高めていくような、シナジー効果が得られればと思っています」
「それにCarGuyはどちらかというと、自動車オーナーの方がファンとして多いので、レースに興味がない方も多いんです。そういった方々がレースに興味をもっていただき、スーパーGTのファンの方たちに支持してもらえるようなチームになれればと思っています」
シェイクダウンの様子を端から見ていたが、昨年からスーパー耐久も戦っていること、富士を舞台にトレーニングで多数の周回をこなしていることからも、木村はとてもレース歴3年目とは思えぬ、しっかりとした速さやフィードバックをもっていると感じた。
ただ、GT500との混走があり、世界的に活躍するプロがそろうスーパーGTのなかで走ることは、やはりハードルが高い。まずは木村の言うとおり、ルーキーテストをきちんとパスすることが重要だろう。その点では、「すごくフレンドリーで乗りやすい」と木村が評するNSX GT3の存在は心強いかもしれない。
スタッフをはじめレースの経験は豊富ではあるものの、CarGuy Racingと木村の挑戦はある意味、昨今のスーパーGTでは少々異色。NSX GT3とともに、どんな存在になってくれるのか、今季のGT300で楽しみな存在なのは間違いないだろう。


