「去年はチャンピオン獲得にあと一歩、足りなかった。今年はそこを埋めていくだけですが、そこをいろいろな方向からアプローチしています。去年は2位、3位が多くて優勝がなかった。そこのあと一歩を詰めることができれば、タイトルも見えてくると思います」と寿一監督。
今年はレクサス陣営内では6台中4台のチームが新コンビとなり、レクサス陣営内での戦いが注目を浴びる。2018年型のLC500は昨年以上に現場エンジニアたちはエンジンパフォーマンスを高く評価する声が多く、このテスト初日でも上位をレクサス陣営が固まって占めるタイミングが多く、まだまだ3メーカーの中で総合力が頭ひとつ抜き出ている印象があるが、その差は確実に接近していそうだ。
そのレクサス陣営としては、ホンダNSXの進化を恐れる声が多い。初日にトップタイムをマークした大嶋も、「今年のLC500もドライバビリティが良くなって安定性がアップする方向で進化していますが、ライバルも速いですよね。GT-Rはまだよく分からないですけど、NSXは速い前回の鈴鹿でもそうでしたが、この岡山でも速い」と警戒する。
一方のNSX陣営は、実はあまり雰囲気がよくない。「クルマのセットアップの幅を広げる目的で2018年型のNSXの開発をしてきましたが、まだまだピーキーな面が出ていまして」と、ホンダの佐伯昌浩GTプロジェクトリーダーも眉間にしわを寄せる。
ニッサン陣営としても、MOTUL AUTECH GT-Rのニスモ鈴木豊監督が「去年の今頃は下の方の順位に固まっていましたが、それに比べれば、滞りなく開発が進められています」と話すように、9番手の順位以上に手応えを感じているようだ。
当然、昨年のチャンピオンであるLC500をキャッチアップするために、GT-RもNSXもさまざまな開発を施してパフォーマンス向上を狙ってきており、その効果が出ているはず。その進化幅が公式テスト初日ながら、13台が1秒差に入るという展開になった要因のひとつと考えられる。クラス1規定2年目を迎える2018年のスーパーGT500クラス。全車が揃った初めての公式テスト初日から、今年の戦いの激しさを予感させた。

