■日本車GT3勢はまだまだこれから!? GT-R勢は浮かぬ顔
日本車のGT3勢のうち、レクサスRC F GT3勢はK-tunes RC F GT3が中山雄一がVLNのためニュルブルクリンクに向かっていたこともあり、新田守男がテストを担当。また、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3もいまひとつタイヤやセットがマッチしない状況となった。
「今回のテストは実りの少ない結果となってしまいました。今年はこれまでいろいろなシチュエーションでテストを行ってきましたが、そこで得たデータが上手く活きてこなかったのが原因かもしれません」と吉本大樹はコメントを残している。
レクサス勢で言うと、リザルトでは下位かもしれないが、大きな進歩と言えたのがarto RC F GT3。昨年まではマザーシャシーを使用し、かなりの頻度でクラッシュに見舞われていたが、GT3にスイッチした今回は2日間のテストで一度もコースアウトやクラッシュ等がなかった。タイ人ドライバーふたりにマシンが合っていた様子で、チームもテスト終了後、安堵の表情をみせていた。
一方、かなり浮かない表情だったのは、2018年モデルのニッサンGT-RニスモGT3を2台投入したGAINERだ。チームはもてぎ、岡山とメーカーテストに参加してきたが、岡山ではトラブルもあり、11号車GAINER TANAX GT-Rがクラッシュ。なんとか公式テストには2台が参加したが、カラーリングは1台のみとなった。
そして、決して異常に遅い……というわけではないのだが、タイムが出ない。今回は新車ということもあり、チーム関係者のコメントは聞くことができなかったのだが、どうやら性能調整がかなり厳しいようで、ストレートスピードは15年モデルのGT-Rの方が速かった……という噂も聞こえてくる。
実際に、直前に行われていたブランパンGTシリーズのポールリカールテストでも、4セッション中3セッションで、15年モデルのGT-Rの方が18年モデルよりも速い状況が生まれている(しかも15年モデルはジェントルマンドライバーも乗り込んでいる)。こちらは性能調整次第で、今後も苦しいシーズンとなってしまうかもしれない。
また今季がGT300デビューとなるホンダNSX GT3勢は、着実にメニューをこなしつつ、デビューに向けたプログラムを進めている。鈴鹿メーカーテスト前に性能調整が出たようで、10mm車高が上げられたため、そのためのセッティングも進められた。
「GT300はレベルも高いし、車種も豊富でそれぞれの特性もいっぱいある。まだ上位にいるとは思わないですけど、チームのレベルは上がっているので、開幕戦には合わせ込めるのではないかと。一発よりも、レースで勝負できるクルマを作りたいですね」とModulo DRAGO CORSEの道上龍は語っている。



