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投稿日: 2018.04.09 11:13
更新日: 2018.04.09 11:20

GT300はまだまだ混迷間違いナシ? ドラマチックな開幕戦での上位陣それぞれのドラマ


スーパーGT | GT300はまだまだ混迷間違いナシ? ドラマチックな開幕戦での上位陣それぞれのドラマ

■「今日は、良くも悪くも坪井のレース」

 レース後半、トップ争いはどちらもタイヤ無交換作戦を採ったHOPPY 86 MCとUPGARAGE 86 MCとなった。そしてHOPPY 86 MCの背後につけた小林は、ダブルヘアピン立ち上がりでうまくオーバーテイクし、優勝に繋ぐ。
  
 小林は、同じマシンで、同じ作戦を採った2台の差について、「マザーシャシーはダウンフォースが強いので、前にピタリとつけているとタイヤを消耗してしまう。25号車がアウディとかとやり合っていたけど、中山選手は前と間隔をとって労ってくれていた。そこが勝敗の分かれ目だったのかな……と思います」と前半の中山の走りを観ながら感じたことを語った。

GAINER TANAX GT-Rとバトルを繰り広げるHOPPY 86 MC
GAINER TANAX GT-Rとバトルを繰り広げるHOPPY 86 MC

 そして、小林の予想は当たっていた。レース後HOPPY 86 MCの坪井は、「18号車がすごい勢いで迫っているのを観て、僕の雲行きが怪しくなった。うしろからも他のマシンが来ていて、『早くレースが終わって欲しい』と思っていました。松井選手にもっと楽をさせることが僕の任務だったのに、それができなかったのが悔しくて……」と、自らのスティントの“仕事”が果たせなかったことを悟っていたのだ。

「今日は、良くも悪くも坪井のレースだったと思う」というのは、HOPPY 86 MCの土屋武士監督だ。

「序盤、坪井はいっぱい抜いてきて『こんなレーサーなんだ』というのを見せてくれたと思う。でも、最後にトップでチェッカーを受けるためにはどうするべきかを考えるのがプロ。いいところも見せてくれたし、学ばなければならないことも分かったと思う」

 土屋監督は、今季チームに加わった坪井を育てるために、「内圧に気をつけて」と無線で伝えるのみに留め、あえて悔しい思いを実感してもらったのだという。これは、HOPPY 86 MCの今後に繋げるための“策”というわけだ。

 悲願成就を成し遂げ笑顔をみせた中山、チームに加わり、その技で貢献した小林、逆に自らのファイターぶりを見せつつも、勝ちに繋げれられず悔しさに暮れた坪井。人間ドラマが見え隠れする表彰台となった。


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