【水瀬きいチーム激励連載】クラッシュとアクシデントの大きな代償:スーパーGT第1戦岡山
■レーシングカーに保険あるって知ってました? Modulo KENWOOD NSX GT3の場合
続いては、そのRUNUP RIVAUX GT-Rと接触してしまったModulo KENWOOD NSX GT3です。ドライブしていた道上龍選手兼代表にうかがいました。では、前戦のクラッシュの状況を教えてください。
「見てのとおり、360号車との追突ですね。外に2号車(シンティアム・アップル・ロータス)もいたからか、360号車のブレーキングポイントが違ったんですね。ブレーキングポイントの微妙な数百メートルって、僕らにとってはかなり手前の感覚であったりする。そこを避けようとしたんだけど、瞬間的に変に避けてしまったがために、相手の右リヤに当たってしまったから、相手が左にいってしまったんですね」
形はどうあれ追突で、柴田選手も負傷してしまったので、道上選手も謝罪されたそう。それで、Modulo KENWOOD NSX GT3のお怪我ですが……。
「もう顔面崩壊ですよ。鈴鹿公式テストには手術に成功して、元には戻ったけどまだ化粧していない状態でしたね。今回はお化粧してきましたけど。それに今回はボディまわりだけだったので、足回りまでいってたら、もっと費用もかかったかもしれないけど」
え~……それで今回の修理にはどれくらいの費用がかかりましたか?
「マンションは買おうと思ったら買えるくらいかもしれないですねぇ」
……むむむ。ではクルマだと、何が買えるくらいですか?
「ドイツ車……例えばメルセデスで言うと、下の方のクラスのAMGくらいは買えると思う(苦笑)。いや、もうちょっとかかるかな? 意外に高いなぁ……って感じでした」
ちなみに今回道上選手に聞いて、きいは初めて知ったんですが、今はレーシングカーの保険というものがあるんだそうで、今回もその保険を使って直したんだそうです。保険は2カ月ごとに加入で、クラッシュの時は使って、何も無ければ掛け捨て。でも多くのチームが入っているそうですよ。
「今は、走行会とかスポーツ走行で個人的に走る人もいると思いますが、その日だけ保険料払ったら、サーキットで事故した場合に保険がおりるものがあるんですよね。自分もたまに走るから入ろうと思ったら、入れなかったんですよ! というのは、サーキットに入ることを職業にしているから(笑)」と道上選手。
「サーキット走られる方は、高いクルマで走る人もいるだろうし、保険は入っておいた方がいいですよ! それにドライブレコーダーと保険は大事です! カメラは四方八方つけたいくらい(笑)」
とっても参考になる道上選手からのアドバイスでした。サーキット走られる方はご参考に!
■55万円は安いのかどうなのか……。TOYOTA PRIUS apr GTの場合
では今回のラストは、31号車TOYOTA PRIUS apr GTの金曽裕人監督にうかがいました。トップ争いを展開しながら、残念ながらリタイアしていまいました。何がどうなってしまったのですか?
「リタイアで終わってしまったのは、駆動系にトラブルがあったんです。レース中、(30号車TOYOTA PRIUS apr GTとHitotsuyama Audi R8 LMSに)ぶつかったことが要因にあったのもたしかだし、じゃあなんでそこが壊れたか……っていうとよく分からない部分があるんだけど」と金曽監督。
「まぁ、まずぶつかっちゃいけないよねって話ですね。しかもおカマ掘るなんて。いちばんダサかったのは、自分たちのチームで絡んでたところ。ハタから見たらアウディを“挟みっこ”したみたいで、ウチがすご~く悪く見える。ていねい~に深々と謝って来ました(苦笑)」
では、トラブルはすぐに治る程度だったのですか?
「すぐに治る程度でしたね。ただ、今までウチでそんなトラブルが起こるような部分じゃなかったので、非常にびっくりですよ。でも、もうこの間のテストも充分いけたから大丈夫」
というわけで、いつもの質問です。いくらくらいかかりましたか?
「また金の話や(笑)! 安いよ! 55万円くらい。60万円はいってないかな~? ってくらい。今回は、それぞれの“モノ”とか、管理とかいう問題ではなかったから、不思議な壊れ方をしたのはたしかだし、突然グッとクルマが止まったみたいな状態になってしまい、駆動系に負担がかかったんだと思う」
では最後に、スーパーGT第2戦富士のモットーを教えてください!
「当てない! ぶつけない!」
というわけで、31号車TOYOTA PRIUS apr GTはモットーどおり見事完走、しかも表彰台獲得です! さすがaprですよね。ではまた次回!