Tomoyuki Mizuno/autosport web

 国内有数のトップチームであるトムスにしては珍しいアクシデント。予定どおりの給油をしながらのガス欠の理由は、なんとも関口らしい理由からだそうだ。

「気温が予想より暑くなったなどがありますが、一番の理由は(関口雄飛が)速すぎたこと。あのスピードは速すぎ(苦笑)。それで燃費が悪いのは仕方ない」(東條エンジニア)。

 レース終盤の関口の最速タイムはファステストをマークした1分24秒977。その前後も1分25秒台前半のタイムをマークしており、レース前のウォームアップのタイムを見ると、1分25秒後半から1分26秒台前半が想定レースペースだったと考えられる。つまり、コンマ5秒以上、関口の想定外のレースペースが結果的に燃費を悪化させてしまったのだ。

「もし燃費をギリギリに攻めていたなら、燃費を気にして走っていたけどね。しょうがない」と東條エンジニア。結果的に、あと1秒、あと1リットル、あと1周弱の燃料があれば、DENSO可夢偉とのトップバトルはどうなっていたか……。

 その関口はピットに戻ると足早にサーキットを出て空港へ向かったため、メディアにコメントを残すことはなかった。東條エンジニアにピットに戻ってきた関口の様子を聞いた。

「戻って来て普通に話はしましたが、すごく悔しそうだった。『ごめん』と言うしかなかった」

 おそらく予選が普通にドライで行われていたら、au TOM’S LC500は間違いなく予選上位を獲得し、決勝でも序盤から上位でレースを進めることができただろう。クルマが速くても、ドライバーが上手くても、なかなかすんなりと結果を出すことが難しいのがこのスーパーGTの難しさでもある。その一方、スコールによって予選の勢力図が乱れたおかげで、決勝では緊張感の高いバトルが演出されることになった。

 今季からスーパーGTにフル参戦を果たした可夢偉に、今季、レクサスのエース格のチームであるトムスに移籍した関口。ファンをワクワクさせる可夢偉vs関口の戦いの続きはまた、次回以降への持ち越しとして楽しみにしたい。

レース終盤にファステストタイムをマークするなど、クルマと関口のポテンシャルの高さは見せたが、無念のリタイア

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