搭載しているツインターボエンジンについては、アンチラグが少なく「かったるい感じはしない」とのこと。「中間域のトルク、ターボが効き始めてきたときのトルクはものすごくあるなという印象」だといい、トップスピードよりも中間加速を意識した特性のようだ。
GT3は市販車をベースとしたレーシングカーということで、気になるのは市販モデルとの乗り心地の違い。道上によれば、コーナリング中に感じる“ロール感”に市販モデルとの共通点を感じるという。
「ロール量はレーシングカーのほうがありませんけど、街中で乗っている時のロール感とサーキットで感じるロール感というのは、なんとなく動きとして似ている感じはしますね」
「当然市販車のほうが、街乗りも考えている分、ロール量は多いですよ。でも、どちらかと言うと、うまくロールを利用しながら走るクルマなんです」
「ただパワーについては(GT3より)市販車のほうがあります。エンジンとハイブリッド分で600馬力あるじゃないですか。だから、アクセルを踏んだときの車速感はノーマル(市販モデル)のほうがあるんじゃないかなと思います」
「レーシングカーのほうはターボエンジンで車重も軽くなってますけど、ハイブリッドは積んでません。ただ、そのトルクの感じ方はノーマルのほうがあるのかなというイメージですね」
第1戦岡山はクラッシュでリタイアを余儀なくされたModulo KENWOOD NSX GT3だが、続く第2戦富士では中間トルクが太いというエンジン特性も生かして予選11番手、決勝8位でデビュー2戦目にしてポイントを持ち帰った。
まだグローバル展開されてまもない車両ということもあり、開幕前は日本で使用されるガソリンやハイグリップタイヤにマッチしていない部分も多かったというNSX GT3だが、シリーズ折り返しを迎えてデータは揃ってきているはず。ランキング上位チームのウエイトが重くなる終盤は上位をかき回す存在になりそうだ。
