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投稿日: 2018.08.08 14:43
更新日: 2018.08.08 16:38

Modulo Drago CORSE、新車のNSX GT3購入を決断。鈴鹿10時間&SGT終盤戦に参戦へ


スーパーGT | Modulo Drago CORSE、新車のNSX GT3購入を決断。鈴鹿10時間&SGT終盤戦に参戦へ

 ドライバー、そしてチームオーナーでもある道上は、クラッシュ後「途方に暮れてる時間もないですし、体を痛めているヒマもない」と鈴鹿10時間への対処をチームで検討に入った。近年はレーシングカーにも保険があり、当然その保険は使用するにしろ、鈴鹿10時間に出場するためには、新車のホンダNSX GT3を購入するか、いわゆる“ハコ替え”と呼ばれるフレーム交換しかない。

 富士スピードウェイを訪れていたホンダの山本雅史モータースポーツ部長、また嶋村馨グローバルGT3プログラムマネージャーにも話を聞くことができたが、現在イタリアにあるJASモータースポーツには、新車のNSX GT3が1台あるという。また、鈴鹿10時間向けにパーツ取り用の車両も1台用意される予定だったという。そのためゴーサインが出さえすれば、新車導入は可能だ。

 ただ、「保険が下りたとしても新車を買える費用ではないですし、『もう1台買おう』となっても、鈴鹿10時間、スーパーGTの残りのシーズンの参戦費用を含め、どれだけ赤字になってしまうか、やり繰りしながら考えなければならない」と道上は思い悩んだ。鈴鹿10時間に間に合わせるには、8月8日に発注をかけなければ間に合わないからだ。

 道上は長年ホンダのドライバーを務め、さらにModulo Drago CORSEはホンダの100%出資であるホンダアクセスがサポートしており、“隠れワークス”のように見られがちなところはあるが、Drago CORSE自体は完全にプライベートチームだ。当然、NSX GT3をホンダから買うとしても、資金はチームがまるごと用意しなければならない。ポンとGT3車両を買ってくるオーナーがいるチームも日本には複数存在するが、Modulo Drago CORSEにとって数千万円を追加で用意することは簡単ではない。

 ただ、それでも道上は鈴鹿10時間参戦を決断した。

「鈴鹿10時間には出たいと思っています。10時間は今年からのレースですが、自分としても世界の舞台で、日本のチームがホンダNSX GT3を走らせ、世界の名だたるマシンに戦いを挑むシーンを見せたいですから」と道上は言う。

「僕はドライバーでもありますが、チームオーナーとしても、ここで止める訳にいかないんです。スタッフの生活もありますし、着実に成長している大津のためにも、こんな形で終わらせたくないというのは強く思っています」

 これまで1月末のシェイクダウンからテスト、そして前半4戦をともに戦ってきたシャシーナンバー012のModulo KENWOOD NSX GT3とともに鈴鹿10時間を戦うことはかなわなくなってしまったが、新たなシャシーとともに鈴鹿10時間とシリーズ終盤戦に挑む。

「何より、チームの復活を願うファンの皆さんから多くの励ましの言葉をいただき、どうしてもあきらめるわけにはいきませんでした」と道上は報告のなかで綴った。

「こうしてまたレースができることになり、本当に嬉しく思っています。Modulo Drago CORSEを支えてくださるすべての皆様に感謝致します。そして引き続き熱い応援をよろしくお願い致します」

クラッシュ前、富士スピードウェイの1コーナーを通過するModulo KENWOOD NSX GT3
富士スピードウェイでシェイクダウンテストを行った際のModulo Drago CORSEのホンダNSX GT3


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