▱ 決勝
決勝が行われた5日の富士スピードウェイは曇り空に覆われたものの、真夏の暑さがドライバーにもマシンにも容赦なく迫ります。午後1時36分、ローリング方式でレースはスタート。スタートを担当したライアンは、リスクを避けて慎重にスタートし、しばらくは5位のポジションを守ります。
「第3戦の鈴鹿ではタイヤバーストにより表彰台のチャンスを逃しているので、タイヤへの負担を少しでも減らすためにロングスティントは避けて、基本的には160周を均等割りした30周前後でピットストップを重ねていく戦略を考えていました。もしタイヤが保つようなら、そのときはピットインまでの周回数を延ばせばいいだろうと」とはチーム代表の一ツ山亮次。
最初のスティントは気温が高かったこともあり、少し順位を落としましたが、その後はピットストップごとに順位を上げていきます。そして、気温が下がってきた第3スティントと第4スティントは、周回数を長めにとることができました。
ライアンと富田が交互に走り、最終の第5スティントに臨んだライアンは8番手でコースに復帰。ゴール間際の158周目のストレートで#88 マネパ ランボルギーニ GT3を見事に抜き去り6番手に浮上しました。
ところがそこから1周足らずで左リヤタイヤが突然バースト。予定外のピットストップを余儀なくされます。これによりHitotsuyama Audi R8 LMSは14位までポジションダウンし、入賞を逃すことになりました。
「上位4台のペースを考えると表彰台は厳しかったと感じていますが、5〜6位は狙えるレースでした。そういった意味ではしっかりレースができていたと思います。ラスト3周まではトラブルは一切なく、ピット作業も完璧でした。チームではどうしようもできない結果だけに、なおさら悔しいですね」(一ツ山)。
次回のSUPER GTは9月15日、16日に開催される第6戦菅生になりますが、Audi Team Hitotsuyama は8月25日、26日に行われる「SUZUKA 10 HOURS」に参戦します。海外の強豪チームもエントリーしていますが、Audi R8 LMSとの相性が良い鈴鹿で表彰台を狙いますので、応援よろしくお願いいたします。
決勝結果
P1 #55 ARTA BMW M6 GT3 高木真一/ショーン・ウォーキンショー
P2 #0 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝/片岡龍也
P3 #31 TOYOTA PRIUS apr GT 嵯峨宏紀/平手晃平
P14 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS リチャード・ライアン/富田竜一郎/篠原拓朗
チーム代表 一ツ山亮次のコメント
今シーズンは不運続きということで、富士スピードウェイへの搬入前にチーム20人全員で、チームガレージの近くでお祓いをしてもらいました。そのおかげか、Q1敗退の危機を乗り越えることはできましたが、決勝のラスト3周分が不足していたようです。
次は「SUZUKA 10 HOURS」ですが、SUPER GTと違い、タイヤがピレリのワンメイクになります。全チームが同じスペックのタイヤを履くイコールコンディションとなるので、Audi R8 LMSにとってはさらに上を狙うチャンスになるはずです。実際、5月のテストでは良いタイムを出しているので、今日の倍の10時間、クルマを壊さず、良いポジションでゴールできるよう頑張ります。
一方、SUPER GTは、残る菅生、オートポリス、もてぎのすべてが得意なサーキットです。全戦表彰台を獲るつもりでレースに臨みます。そうしないと、皆さんに顔向けできませんから。毎回、良いところは見せられていますが、その分ガッカリさせてしまっているので、次こそはしっかりと結果に結び付けたいと思います。


