一方、その0.057秒差で惜しくも表彰台に乗ることができなかったのはModulo KENWOOD NSX GT3だ。ただ、チーム代表でもある道上龍は「富士の後はいろいろ苦労もしましたが、4位という結果で終われて、やってきて良かったと思いました」とチーム最上位を喜んだ。

 Modulo KENWOOD NSX GT3は後半、一時順位を落としていたものの、四輪交換したことも功を奏し、「無我夢中でした」と大津弘樹がセーフティカー明けに、まさに“1周1台”のペースでオーバーテイクを連発した。ただ、大津は「やっぱり表彰台と4位は違いますから……」と悔しい表情も。富士でのクラッシュから復活を果たしたModulo Drago CORSEは、セットアップもいい方向を見つけたようで、終盤2戦で上位を脅かす存在となりそう。

 惜しくも0.008秒差での5位となったマネパ ランボルギーニ GT3は、予選でトラブルが起きたことで17番手だったものの、多くのライバルが「88号車は速い」とにらんでいたとおりの追い上げをみせ、さらに0号車と同様左のみ交換で前に出た。今季のJLOCは大きく体制面も強化しているが、そのとおりの強さを披露した。表彰台にわずかに届かない悔しさはあるが、平峰は現在ランキングでも20点差の8位。こちらもライバルにとっても“怖い存在”と言える。

GULF NAC PORSCHE 911
GULF NAC PORSCHE 911

 予選では3番手につけ、今回の“ダークホース”的な存在だったGULF NAC PORSCHE 911は、レースでもバトルを展開しつつ、6位でフィニッシュした。「今季のポルシェは、レースではそこまで強さがなかったのですが」と久保凛太郎。ただ、「去年は表彰台含めていい結果があったので、僕たちのコンビについていろいろ言われることもありました。でも、今回でベースが一段階上げられた。今はホッとしています」とまずは結果が出たことを喜んでいる様子だ。

Hitotsuyama Audi R8 LMS
Hitotsuyama Audi R8 LMS

 そして今回、不運に見舞われたのは、タイヤトラブルが起き、序盤でレースを落としてしまったHitotsuyama Audi R8 LMS、そして無交換作戦を敢行しつつも、アームのトラブルでピットインしたHOPPY 86 MCだろう。特にHitotsuyama Audi R8 LMSは決勝のペースも良かったが、左リヤタイヤにパンクが起き、緊急ピットイン。さらにその際にインナーフェンダーを叩いており、それが干渉してさらにピットインを強いられるなど、またも不運に見舞われてしまった。これがなければ「2位はいけていたと思います(富田竜一郎)」だけに悔しさはつのる。

 GT300も上位入賞チーム、そして上位を戦ったチームそれぞれにドラマがあった。また、今回はマザーシャシー勢、ブリヂストン勢など、SUGOを得意としていたチームが揃って苦しむ結果にもなっている。

 この結果、ランキングもさらに混沌としてきた。いったい誰が覇権を握り最終戦に臨むのか……。第7戦オートポリスは、シリーズを左右する一戦となりそうだ。

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