一方のRAYBRIG山本は、「JB(ジェンソン・バトン)のQ1のタイム(1分36秒344)を見たら、Q2は1分35秒台の戦いになることはみえていた」と、ある程度予想どおりの展開になったことを示唆した。それでも予選2番手、そしてライバルであるKeePerよりも前のグリッドを奪いながらも、山本の表情に笑顔はない。

「やっぱり悔しいです。アタック自体がどうこうよりも、2番手では嬉しくないですよね。今回のアタックで何か大きな失敗をしたわけではないですし、マシンのフィーリングも『もっとこうなってくれたら』というのはあるんですけど、これが結果。Q2までの持っていき方に対して、やっぱり8号車(ARTA)には何かが足りていなかったのだと思います。そこは純粋に負けを認めざるを得ないと思いますし、ドライバーとしては“悔しさしかない”ですね」と山本。

 それでも、ライバルのKeePerは6番手。タイトル獲得の可能性は大きくなったはずだ。山本は2018年シーズンの最終戦を、いったいどのような気持ちで迎えるのか。

「明日は勝つことだけ考えています。ドライバーとして今日は悔しさしかないですし、ホンダNSX-GTとブリヂストンタイヤの組み合わせで、同じ道具を使っている相手に負けたということは事実。受け入れないといけないですけど……悔しいです」と山本。

「もちろん、今回はチャンピオンを獲るためのレースをしないといけない。ただ、あまりそこに比重を置きすぎてそこばかり見てしまうと、本来見なければいけないところを見失ってしまう。ドライバーとして本当に志を高くもって、勝つことだけを考えていきたい。その中でチャンピオンのことを考えて、頭は冷静な戦い方をしなければいけないことを踏まえてレースをしたいなと思います」

 山本は表情をいっさい緩めることなく予選を振り返ったが、一方のライバルであるKeePerの平川もまた、表情を変えずに明日のレースに向けての抱負を語った。

「レースペースは実際走ってみないと分からないですね。朝は雨上がりだったのでロングランができていません。僕らがどういうタイヤの“落ち方”になるのか、彼ら(RAYBRIG)のタイヤがどうなるのか分からないです。僕は後半担当なので様子を見ながら考えることになりますが、ニック(キャシディ)はスタートからどんどん前に出ないといけないと思います」と平川。

「タイヤの選択に関しても、オートポリスほどの差はNSXとはないと思いますが、レースでは今回の予選Q2ほどの差はないだろうと思っています。もうタイトルだけを追っても何もできないので、あまり意識せず、今できること、最善のことをやっていきたい。今日としては僕たちのなかではいいリズムで進められて、合格点には達していると思うので、明日もいつもどおり戦って、結果が付いてくればいいなと思います」

 予選上位にホンダNSX-GTが固まり、その後にレクサスLC500が続き、第7戦オートポリスと同じようなシチュエーションで迎えるスーパーGT第8戦もてぎの決勝レース。チャンピオンの栄冠を勝ち取るには、タイヤのピックアップ、メーカー内&チーム内のサポート、タイヤ戦略、ピットストップ時間などなど、レースではまだまだ大きく展開が変わりそうな要素が潜んでいる。

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