更新日: 2018.11.12 15:24
D’station Racing 2018スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート
D’station Racing
Race Report 009 – 2018.11.12
予選で思わぬ苦戦を強いられるも
作戦完遂の7位で今季を締めくくる
AUTOBACS SUPER GT SERIES Round.8 TwinRing Motegi
November 10 – 11 2018
岡山で幕を開けた2018年のSUPER GTも、いよいよ最終戦のときを迎えた。これまで7レースを戦ってきたD’station Racingにとって、総決算となる第8戦の舞台は、栃木県のツインリンクもてぎ。ポルシェ911 GT3 Rにとっては非常に相性の良いコースだ。D’station Porscheは事前のテストでも好タイムを記録しており、悲願の初優勝に向けては格好の舞台と言えた。
迎えた11月10日(土)の予選日は、朝方は曇り空が広がり、前日降った雨が残りウエットコンディションとなっていた。ただ、セッション開始直前から晴れ間も出たため、路面はすぐに乾きそう。D’station Porscheはまずは藤井誠暢がステアリングを握りコースインし、スヴェン・ミューラーに交代。ドライに転じたなかで交代しながら走行を重ね、午後の公式予選に向けてD’station Porscheを煮詰めていった。
ここでD’station Porscheは、1分47秒880というベストタイムをマークし5番手につける。チームにも明るい雰囲気が広がったが、午後2時からスタートした公式予選では、思わぬ展開となった。D’station Racingは、予選Q2を目指すのはもちろんだが、当然決勝レースも見据えたタイヤ選択をしたい。ただそのタイヤを使うと、僅差のGT300だけにひょっとするとQ2進出が危ういかもしれない……。チームは慎重を期し、藤井をアタッカーに据えQ1に挑んだ。
コンディションが上がるQ1の終盤を目指しコースインした藤井は、1分47秒669をマークする。ところが、ライバルたちが公式練習に比べて大幅にタイムを上げているではないか。
これではQ2進出はできないと、藤井はさらにもう1周アタックをかけるが、やはりQ2進出に必要な14番手には届かず16番手のまま、Q1はチェッカーを迎えてしまった。
チームにとっては予想外のQ1敗退となってしまったが、とは言え重要なのは決勝。D’station Racingは、翌日のレースに焦点を切り替えることになった。
秋晴れに恵まれ、3万7000人もの観衆が訪れた決勝。1周目から今回スタートドライバーを務めたミューラーが圧巻の走りをみせていく。16番手から一気に12番手に浮上すると、2周目、6周目にポジションを上げ、一気にトップ10に食い込んできたのだ。とは言え、今回の作戦を敢行するには、ミューラーにタイヤの酷使は許されない。今回、リヤタイヤのみの2本を交換する作戦だったからだ。ミューラーは逐次タイヤの状況をチームに無線で伝える。これならばいけそうだ……。24周を終えピットインすると、藤井に交代。チームは完璧な作業を終えピット静止時間を稼ぐと、藤井をコースへ送り出した。
レースに戻った藤井は、フロントタイヤの摩耗度を確認すると、8番手からペースを上げていく。すると、前を走っていた#55 BMWが近づいてきた。相手はタイトル争いをしているマシンだが、ペースは確実にこちらに分がある。藤井は41周目にこれをパスすると、7番手に浮上した。
その後も手綱をゆるめない藤井だったが、6番手だった#61 BRZとはやや差が大きく、そのまま7位でチェッカーを受けることになった。“タラレバ”は禁物だが、あとわずかに予選順位が前っだったら、もう少し上位にいけたかもしれないほど、会心の追い上げをみせたレースだった。
この結果、4ポイントを加算したD’station Porscheだったが、藤井/ミューラー組のランキングは9位となった。本来ならば今季初優勝と、チャンピオン争いを展開しているはずだっただけに、悔しい結果と言える。
とは言え、今季藤井とミューラー、そして何よりチームは今季すべてのレースで、極めてミスが少ないシーズンを送ってきた。今季はライバルたちの速さが抜けていた部分もあったが、この仕事ぶりを来季も続けていけば、もっといい成績が望めるはずだ。D’station Racingは来たる2019年シーズンに向け、気持ちを新たに最終戦の舞台を後にした。オフは長いようで短い。D’station Racingの戦いは続いていく。