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投稿日: 2019.02.13 11:58
更新日: 2019.02.13 12:07

【GT500引退】本山哲インタビュー「勝つことの義務は苦しかった。今はレースが楽しいし、来年の復帰もGT300参戦も可能性はある」


スーパーGT | 【GT500引退】本山哲インタビュー「勝つことの義務は苦しかった。今はレースが楽しいし、来年の復帰もGT300参戦も可能性はある」

──選手/ドライバーからチーム組織へのマネジメントへの切り替えは自分のなかでついていますか?
 ポジションが変わることについては、チーム・モトヤマという全日本のカートチームをずっとやってきて、そこのなかから松下(信治)なり、何人か上に上がっていったりとか、そういった活動をしていたのもあるし、ここ数年縁があって全日本F3とかスーパーフォーミュラの監督などいろんな役割をするなかで、そういったことをするのも自分としては嫌いじゃないし、けっこう得意分野かな、とも思っている。

──自分が培ってきたものを次の世代に渡していく。
 うん。ドライバーに対してだけでなく、チーム全体の仕事になるけども、そういったところにも貢献はできるんじゃないかな。正直、ここ数年、ニッサンのGT500クラスがちょっと低迷気味なのもあって、そこをなんとかしたいと思っていた。自分が走っていると、ドライバーという立場からは意外と全体に対して意見ができない。会社としても対ドライバーだと会話も変わってくるだろうし。

──エグゼクティブアドバイザーとして、クルマを速くするために積極的に働いていくということですね?
 ニッサンとしては初めてのポジション、役割というところで、実際、試行錯誤しながら進んでいくところだけれど、客観的に全体を見て、具体的に現場でアドバイスするというよりも、次のレースに対する改善点を見つけたり、半年後、一年後に全体レベルが上がっていくような、そういう部分に貢献していきたい。

──去年までのドライバー視点で、いまGT‐Rに足りないものは何だと思いますか?
 単純にクルマのパフォーマンスが足りないというのは正直なところ。具体的にどうとはここでは挙げないけれど、ただニッサンが強かったときはもちろんあるし、ライバルがいて、お互い切磋琢磨して、開発競争して抜かれては抜き返してと繰り返してきた。そのなかでここ数年は苦しい。厳しいところではあるけど、そこを少しでも頑張って追いついて、追い抜いて、ニッサン・ファンがレースを観て楽しく、結果に対しても喜んでもらえるような状況に戻したい。

──高校時代からプロのレーシングドライバーとしてレースをしてきて、その軸が生活からなくなってしまうことについてはどう考えていますか?
 走ること、レースをすることは好きなので、何かしらしたいと思っていて、スーパー耐久かもしれないし、カートかもしれないし、あとGT3のクルマでいろいろ幅広くいろんなレースをやっているから、鈴鹿10時間にしても、他のビッグレースでもいろいろ機会があればチャレンジしていきたい。

──あくまでGT500限定での引退ということですね。
 とりあえず、そのくくりにしてもらった。GT500に復帰するのもアリだと自分のなかでは思っているし(笑)。

──では、やはり引退ではない?
 引退しても復帰するなら、復帰セレモニーをすればいい(笑)。プロレスの大仁田厚も8回引退したしね。亀田興毅も引退試合の終わりで引退撤回したもんね。

──やはり他のアスリートの引退は気にするものですか?
 やっぱり気にするよね。(フェルナンド)アロンソもやめると言いながらすぐ乗るしね。

──あらためてGT500もどんどん速くなっていますが体力的な厳しさは本当にないですか?
 体力的には一切ない。もちろん速いけど、まわりがイメージを作っているほど大変なものじゃないというのが現実。フォーミュラはGTの2倍、いや、3倍疲れるクルマで、2倍の時間乗る。そのクルマに乗れる体力が自分のなかで基準。だから通常の300㎞のGTレースだったらひとりでも余裕で走れる。300㎞走ったとしても、自分の体力の基準からしたら半分しか使わない。走っているときに力んでいないというのも、もちろんある。そこも才能だと思うし、2輪の原田哲也や亡くなった加藤大治郎もそうだったけど、単純な体力で測れないところがある。古い話だと、星野さんもそう。ずっと近くで見ているけれど、あの人が暑いとか疲れたとか言ったのを聞いたことがない。星野さんの思考回路にそのふたつは入っていない。昔のクルマはいまより暑かったし、フォーミュラのハンドルも重かったからね。

本山に対するセレモニーには、ゆかりの深いメンバーが登壇し、花束を渡した。

■スーパーGT500クラス復帰、そしてGT300クラス参戦の可能性


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