公式練習 8月27日(土)9:20~11:55
公式練習が始まる直前に雨が降り、WET宣言も出されたものの、一瞬でやんで結局、全車がドライタイヤで走行開始となった。今回も最初に「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」をドライブしたのは中山選手。まずピットイン~アウトを行って、チェックを行った後、2周計測を行い2分1秒990をマークしてピットに戻る。しかし、その後が続かない。ブレーキにトラブルが発生し、修復を強いられていたからだ。ようやくピットを離れたのは、間も無く計測開始から1時間を過ぎようという頃。
引き続き中山選手が走行したが、5分後には赤旗が掲示され、計測は中断となる。赤旗は5分後に解除となり、中山選手はロングランを実施。そして2分0秒124を記録した後、ピットに戻ってくる。GT300単独の走行時間帯からは、嵯峨選手がようやくマシンに乗り込み、そのままチェッカーまで走行。最後の計測ラップに2分1秒303を記録し、このセッションの順位は10番手と、序盤のトラブル以外は上々の滑り出しとなった。なお、嵯峨選手はこの後に行われたサーキットサファリも走行し、15分間をフル活用。よりセットアップを進めることとなった。
公式予選 Q1 14:30~14:45
今回も予選のQ1を担当したのは嵯峨選手。公式練習で予選シミュレーションを行えなかったものの、いざ走り出せば、そうとは感じさせない大胆なドライビングを披露してくれた。アウトラップに加え、2周をウォームアップに充ててタイヤの内圧を完璧に整える。そしてアタックを開始。セクタータイムを自己ベスト~ベスト~ベストで繋いで、あとはシケイン、最終コーナーを駆け抜けるだけとしていたのだが……。
なんと、シケインで痛恨のオーバーラン。直前の130Rで縁石をまたいだ際にブレーキのピストンが開いてしまい、察知した嵯峨選手は対策を講じていたものの、十分ではなかったようだ。止む無く、次の周をクールダウンに充て再度アタックをかけるも、すでにアタックを終了したスローカーが随所にいて満足にクリアラップが取れなかったばかりか、タイヤはすでにグリップのピークを過ぎていた為、1分59秒638を出すに留まったが、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は11番手で難なくQ1をクリア。Q2に控える中山選手に無事バトンを託すこととなった。
公式予選Q2 15:15~15:27
Q1終了後、嵯峨選手からのインフォメーションを受けて「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」はセットを変更。これが功を奏することとなる。中山選手もまた2周のウォームアップを経て、アタックを開始。その時すでにトップは1分57秒台に突入、ハードルがグッと上がる中、中山選手はそれにはあと一歩及ばずも、1分58秒092をマークして2番手に浮上する。そして、その直後にチェッカーが振られ「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は2番手、フロントローから決勝レースのスタートを切ることとなった。
嵯峨宏紀選手
「タイヤのウォームアップは入念に行って、内圧が完璧に合った時にアタックをかけたんですが、130Rのイン側の縁石を踏んだら、思いの外ブレーキのピストンが戻ってしまって。ダフったつもりなんですけど、完全には戻りきれていなくて、シケインのブレーキングで止まりきれず、オーバーランしてしまいました。クールダウンを入れて、もう一度行ったんですが、その時にはピークのグリップを過ぎた中でのアタックになって、しかもみんなアタックを終えている状態だったので、クリアも取れず……。それでもQ1は突破でき、クルマのバランスは見えたので、それをエンジニアに伝えてセットを変えたら、結果的に2番手だったんで、明日に向けてはいい位置につけられたと思います。長いレースなので、『トップ6ぐらいにいれば、なんとでもなるな』という予想はしていましたが、目の前に誰もいない状態からスタートできるので、そういう意味では一歩優勝に近づいたのでは。あとは何事もなく1000kmを走りきりたいです。」
中山雄一選手
「タイムをしっかりひねり出してきました(笑)上出来だと思っていたら、もう一台僕らより速い車がいたのは残念でしたが……。130Rでマシンのバランスはそんなに良くなかったようで、その部分を嵯峨選手からのフィードバックでQ2までにセットを変えて、それがうまく決まったので全体的に良かったと思います。でも、明日は雨っぽいのですねぇ。どうやら灼熱の1000kmという感じではなさそうですが、それでも決勝はいい位置からスタートできるので、みんなで仕事をきちんとこなせば、実力が発揮できると思うのでそれだけ意識して走ります。」
金曽裕人監督
「上出来!中山選手がうまく纏めてくれました。嵯峨選手も、もっとタイムは出たはずなんですよ。1~2周目は賢くタイヤを温めてから、集中して一発で出してやろうという様子がはっきり分かりましたから。ただ、今回から新型のブレーキローターを入れているんですが、その傾向をまだ掴めていなかったので、残念ながらシケインで止まり切れなかった…。でも、クルマのバランスは悪くないという印象で、嵯峨選手から少しだけアンダーを減らして欲しいことを伝えてもらって、改めたセットがピタリとはまり、中山選手が好タイムを出してくれたという感じです。決勝は長丁場なので、トラブルなく淡々と走れば、必ずいい位置に行けると思っています。」