「アンチラグが変わって、回転が落ちたところからのドライバビリティは良くなりましたね」と話すのはZENT CERUMO LC500の石浦宏明。立川祐路も今回のエンジンの進化を実感していた。

「エンジンは多少、バージョンアップというか、アンチラグに加えてパワーも少しは出るようになっているので、その効果はあったと思います」と立川。

 そのTRD開発陣の努力を受け、ZENT CERUMO LC500が見事優勝という形で結果を出したが、それでもまだまだ、安堵できる状況ではないようだ。石浦が話す。

「開幕戦のショックから、みんながすごく危機感を持って、やれるだけのことをやった成果がもちろん、優勝につながっているんですけど、まだ、負けている部分がたくさんあることが見えたレースでもあったと思います。得意としている富士で、なんとか勝てたというところなので、他のコースに行ってちゃんと戦うためには、もっともっと開発を続ける必要があると思っています。チャンピオンを狙うにはもっともっとやらないと届かないと思います」と石浦。

 立川も「元からこの富士は他のサーキットよりも戦えるなという感じはあった。レクサスとしては得意なサーキットなので、チャンスだとは思っていました。逆に、この富士で勝てないようなら他のコースではもっとダメ。ただ、今日のレースでも、やっぱりGT-Rとは最終コーナーの立ち上がりからストレートで負けている部分がある。まあそれでも、開幕の時よりは良くなっていますよね」と優勝後にも冷静に状況を分析していた。

 TRD岡見エンジニアも「エンジンのレスポンスがいいとドライバーも気持ちよく乗れる。アンチラグを改善したところで、いきなり何秒も速くなるわけではないですけど、ドライバーが気持ちよく乗れることで結果的に速くなっているのかなと思います。そういったドライバーの気持ちの部分は大きいと思います」と間接的な効果を強調する。

 それでも、レクサス陣営のエンジン面ではまだまだ課題も残っており、その課題は裏を返せば今後の伸びしろになるとも言える。

「トラブルはまだ全部が解できているわけではなくて、今回はそのアンチラグの部分が分かって、前よりもいいものが発見できて、まだ原因がわからなくて止めているものもあるので、エンジン本体は触れないですけど、もう少し、ラップタイム的には向上できるかなと思っています」とTRD岡見エンジニア。

 開幕戦の劣勢から見事、逆転を果たしたレクサス陣営。しかし、本当の戦いはこれからの富士以外のサーキットで試されることになりそうだ。

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