Evoモデルの登場でパフォーマンスに改善がみられたNSX GT3だが、「ストレートは速い。コーナーはそこそこ」という特徴は変わっておらず、例えばテクニカルレイアウトである鈴鹿サーキットなどでは、コーナリングに関してライバルチームが使用しているメルセデスAMG GT3の方に分があると感じるという。

 また、新型ターボチャージャーが導入されたエンジンについても、燃費面で不利な面を抱えている点も変わっていない。

「(鈴鹿の)コーナリングという部分でいうと、メルセデス(AMG GT3)の後ろにつくと(メルセデスのほうが)速いですし、ラインの自由度も高い」と道上。

鈴鹿サーキットを走るModulo KENWOOD NSX GT3
鈴鹿サーキットを走るModulo KENWOOD NSX GT3

「僕たちは(コーナリング中に取れる)ラインは1本で、警戒しながら走らないといけないという状況になってますね。予測がつきにくいフィーリングなんです。そこを改善することが課題です」

「(テストも含めて)しっかりと走り込んだのは岡山と富士だけですけど、ほかのコースはEvoになってから感触はいいんですよ」

「あとはもっと速さを身につけないといけない。どうしても燃費が悪くて。これも去年から続いている状態ですね。ブランパンGTのように(ピットでの)停止時間が決められていれば問題にはなりませんけど、スーパーGTのようにタイヤ交換も給油もレースの勝敗にかかわる要素になっていると、燃費の悪さは厳しい」

「タービン(ターボチャージャー)が変わったことは、燃費にも多少影響しているでしょうけど、大きな改善は感じられませんね。距離の長いレースだと、いくら速く走ってもピットで奪い返されてしまうパターンが起こりやすいのが現状です」

「今のNSXは“ストレートは速い。コーナーはそこそこ”。昔とは逆になっているイメージです。だから、富士はNSXと相性が良いんですよ。ターボや(標高による)気圧の関係もあって。昔では考えられないですよね」

「今、GT300をNSXで戦っていると昔と逆の発想になります。ストレートはむしろ楽というか、ここで追いつけますから。ただコーナーが入ってくると苦しくなる。だからこそ、リヤのスタビリティや蹴り出しは重要で、そこでフラッとリヤがぶれてしまうと、速いストレートも活かせなくなるんですよね」

 以前からの持ち味であるストレートの伸びを活かすようなアップデートが施されたNSX GT3のEvoモデル。長距離レースで燃費面での不得手も増えるが8月の第5戦富士、昨年表彰台を獲得した第6戦のオートポリスなどでは、優勝争いの一角を担うことになりそうだ。

Modulo KENWOOD NSX GT3のサイドビュー
Modulo KENWOOD NSX GT3のサイドビュー

Modulo KENWOOD NSX GT3のサイドビュー
Modulo KENWOOD NSX GT3のサイドビュー

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