更新日: 2019.08.04 08:24
サバイバルの予感漂う富士500マイル戦も勝負は1スティント目。GT-R以外の上位陣の展望《GT500予選あと読み》
WedsSport ADVAN LC500としては、上位のGT-R+ミシュランの2台は高温になると、さらに速さを増すと見ている。ヨコハマタイヤ勢としては今季は各スティントの後半で失速してしまうケースが目立つだけに、レースでのタイヤのデグラデーション(摩耗)の耐久性が大きな鍵になるだろう。
ランキング4番手で燃料リストリクターが一段階絞られながら予選4番手を獲得したのがZENT CERUMO LC500だ。まずはQ1でブリヂストンタイヤ勢トップとなる4番手を獲得した石浦宏明が話す。
「クルマは予選の時が一番良かったですね。第2戦の富士のときのセットアップとも違いまして、予選Q1が始まる10分前に村田(卓児)エンジニアがセットアップを変更して、それが抜群でした。さすが村田エンジニアという感じです」と石浦。Q2を担当した立川祐路も予想以上の手応えに自信を深める。
「状況を考えると、もっと前に行きたかったですし、もう1周アタックに行く予定でしたけど(赤旗で中止)、それでもタイムが上がったとしても上とはタイム差があるので、順位がどこまで上がったかはわからない。それでも十分、明日は表彰台、状況によっては優勝も狙える位置につけれたと思っています。前回のタイ戦のことを考えると正直、もっと苦しむことになるかなと思って富士に来ていたので、思ったより行けましたね」と立川。ランキングを争う同じレクサス勢が予選で苦しんだチームが多いだけに、明日の決勝は大きなチャンスとなる。
多くのチーム、ドライバーが話すように、決勝は選択したタイヤ、そしてタイヤメーカーごとのパフォーマンスと耐久性が大きなポイントになってくる。振り返れば第2戦の富士でも予選でポールポジションを獲得したMOTUL AUTECH GT-Rは決勝ではタイヤのデグラデーション、そしてピックアップ(自分のタイヤカスが取れずに自分のタイヤに付いてしまいグリップダウンを招く)の症状が起きてしまい、ZENTに優勝を奪われてしまった。
日曜の決勝の気温と路面温度次第で、ペースの上がるチーム、苦しくなるチーム、夕方になって気温が下がってから復調するチームなど、それぞれのコンディションにいかに適切なタイヤを選択していけるかが大きな勝負となるが、いずれにしても、決勝では最初のスティント、予想される5スティントのうちのワンスティント目のペースを見れば、おおよその正解が見えてくるだろう。
1スティントでどのチームが速いラップタイムで、そして長い周回を走行できるか。それによって、その後の戦略が楽になることから、1スティント目が大きな勝負となるだろう。