更新日: 2019.08.13 14:35
31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 2019スーパーGT第5戦富士 レースレポート
2019 AUTOBACS SUPER GT
ROUND 5 富士スピードウェイ
開催地:富士スピードウェイ(静岡県)/4.563km
8月3日(予選)
天候:曇り
コースコンディション:ドライ
観客数:2万2500人
8月4日(決勝)
天候:晴れ
コースコンディション:ドライ
観客数:3万8100人
またしても現れたSCトラップ……。完走果たし、また進化に新たな方向性見出す
タイから再び舞台を日本に戻し、スーパーGT第5戦『FUJI GT 500MILE RACE』が富士スピードウェイで開催された。今年もaprは引き続き2台体制で挑むが、マシンをTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV(ZVW52)にスイッチ。駆動方式をミッドシップからFRに改め、さらにハイブリッドシステムはそのままに、5.4ℓのV8エンジン、2UR-Gを新たに搭載する、#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTを嵯峨宏紀選手と中山友貴選手に託している。
タイヤは引き続きブリヂストンを使用する。前回は予選こそ23番手だったものの、決勝ではタイヤのポテンシャルを活かしつつ、コンスタントに周回を重ね、次第に順位を上げていったのだが、ドライバー交代から間もなくクラッシュ車両を回収するためセーフティカー(SC)が導入され、不運にもまだピットに入っていない暫定トップ車両の後ろに並ぶ羽目に……。
これで実質ラップダウンとなり、さらに大きく順位を上がることは阻まれたが、しっかりとレースを走り抜き、18位という結果以上に貴重なデータを積み重ねることに成功している。
今回は500マイル、すなわち約800kmのシリーズ最長のレースであり、途中4回のドライバー交代を伴うピットストップが義務づけられる。強烈な暑さに見舞われることは必至で、過酷なレースではある一方、大量得点も可能なレースとあって、シリーズの大一番となりそうだ。
公式練習
8月3日(土)8:50~10:25
7月の半ばまでは曇天続きだったのに、8月の声が聞こえてきた途端、全国各地が猛暑続き。この週末も例外ではなく、強烈な暑さの中での走行となった。公式練習のスタートは8時50分。なのに、もう気温は28度、路面温度は31度に達し、その後も次第に上がっていった。
今回、最初に#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTをドライブしたのは中山選手。普段以上に入念なセットアップ、タイヤ選定が行われたこともあって、公式練習はすべて中山選手が周回を重ねることとなった。
走行開始から間もなく1分40秒229をマークした後、赤旗中断を挟み、1時間ほど経過した後は3回アウト~インを続けたあたりは、理想のバランスをつかもうという思いの表れだ。そして、最後の計測ラップに中山選手は1分40秒187を記録することとなった。
その後、行われたサーキットサファリから、嵯峨選手が走行を開始。バスがコースを離れる直前に一度だけピットに戻っただけでセッションをフル活用。終了間際に1分40秒845を記していた。
公式予選Q1
6月29日(土)15:00~15:15
今回もQ1を担当したのは嵯峨選手。気温は31度、路面温度は40度にも達し、より過酷な状況になった中、いきなりアタックするのではなく、入念にウォームアップを行っていたのは、決勝レースも配慮したタイヤ選択だったからに他ならない。
計測3周目からアタックを開始した嵯峨選手は、まずは1分39秒358をマークして、このレースウィーク最速タイムをマークする。その後1周クールダウンを行って、再度コースを激しく攻め立てる。続いての周回こそ1分39秒638に留まったものの、ラストアタックでは1分39秒370。
あと一歩のところでタイムアップならず。ベストは尽くした嵯峨選手ではあったが、トップは1分37秒台にも到達しており、26番手という結果に甘んじた。
嵯峨宏紀選手
「アタック自体はほぼノーミスで、珍しいぐらい自分のなかでも決まったアタックだったんですが、ポジション的にはあのあたりまでしか行けなかった。シフトダウン時のレスポンスが悪く、思うようにブレーキでタイムを詰めることができないのが現実」
「この問題をドライバーでは改善できないので、ない物ねだりしてもしょうがない。今持っているパッケージの中で、ドライバーとしてできる限りのことを決勝でやっていこうと思っています」
中山友貴選手
「公式練習ではマシンを詰め切ることができず、予選でもちょっと方向性を変えて、嵯峨選手にQ1行ってもらったんですが、それもあまり良くはなかったようで……。問題として明らかになっているのは、嵯峨選手のコメント通りで、それによってニュータイヤの一発タイムが出ないこと」
「まだタイヤとクルマのいい部分を出し切れないところがたくさんある一方で、ロングランになると割と安定して走るところがあるので、決勝でそのあたりをさらに伸ばせていければ。戦略面も含め、クルマのバランスが良くなるよう話し合いはしたので、しっかりトライをしてみて方向性を探ってみたのですが、結果的に31号車に関しては正解ではなかった反面、ようやくこちらに進むべきだ、というのが明らかになりました」
「予選までそういう状況だったので、嵯峨選手には申し訳なかったんですけど、理解度が増したからには、これからどんどん進化していくと思いますので、今後にご期待といったところです。ただ、我々だけでは解決できない大きな課題もあるのが悩みですが、そのなかでベストを尽くします」