レースはGT300の周回で48周目に再開。福住仁嶺がドライブするARTA NSX GT3を先頭に、小暮卓史のマネパ ランボルギーニ GT3、アレックス・パロウのMcLaren 720Sが続く形となる。
しかし再開直後、トップを走るARTA NSX GT3にドライブスルーペナルティが与えられる。ARTA NSX GT3は2度目のセーフティカー導入直前にピットインした際、ピットロードでWedsSport ADVAN LC500と接触しており、このインシデントに対するペナルティだった。
これでクラス首位にマネパ ランボルギーニ GT3が浮上し、McLaren 720S、K-tunes RC F GT3、GAINER TANAX triple a GT-Rがトップ4を占める。5番手にはModulo KENWOOD NSX GT3がつけていたが、ピット作業違反があったとしてこちらもドライブスルーペナルティが与えられている。
チェッカーまで10周を切ってくると、3番手のK-tunes RC Fが徐々に遅れ始め、GT300優勝争いはマネパ ランボルギーニ GT3とMcLaren 720Sの一騎打ちへ変化。GT500のチェッカーまで残り7周となった55周目にはテール・トゥ・ノーズのバトルに発展する。
McLaren 720Sを操るパロウはダウンヒルストレートへつながる第2ヘアピンで何度かオーバーテイクのチャンスを伺うと、57周目にGT500が絡んだタイミングを逃さず、ブレーキングで小暮のインへ飛び込みオーバーテイク。クラストップへとおどり出た。
このままパロウがトップチェッカーを受けるかと思われたが、その後方からスリックタイヤでライバルより1周10秒近く速いペースで追い上げてきたのが吉本大樹操るSYNTIUM LMcorsa RC F GT3だった。

40周目のピットストップでスリックタイヤを履いたSYNTIUM LMcorsa RC Fはセーフティカー明けの水量が多かった時間帯を11番手でしのぐとレコードラインが乾き出したレース終盤にペースアップし、先行するライバルを次々とオーバーテイク。チェッカーまで4周となったタイミングでウエットタイヤを履くMcLaren 720Sへ追いつくと、軽々と追い抜きトップへ浮上した。

トップを奪ったSYNTIUM LMcorsa RC Fのペースは最後まで衰えず、最終的に12秒ものマージンを築いて2019年シーズン初優勝を達成。前半スティントを担当した宮田莉朋はGT300クラス初優勝、また吉本にとってはGT参戦100戦目でのメモリアルウインとなった。
2位はMcLaren 720Sが入り今季初表彰台。3位にはマネパ ランボルギーニ GT3が入り、第2戦富士以来の表彰台を獲得している。
シーズンにフル参戦しているチームのウエイト係数が変更されるシリーズ第7戦は9月21~22日に宮城県のスポーツランドSUGOで行われる。