中山雄一
「今シーズンはレクサス勢の調子が良い状況が続くなか、SARDとしては思うような結果が出せず、何が足りないのかを考えながら戦う難しいレースが続きました。ヘイキ(コバライネン)さんとしっかりコミュニケーションをとり、エンジニアとも話しあってクルマをどういう方向性にしていくべきか議論してきました」
「今回は、普通GT500クラスではしないような大幅なセッティング変更をしたところ、セッティングの方向性がどんどんオートポリスにマッチしていきました。予選では第2戦富士以来にQ1を突破できました。クルマのパフォーマンスが上がっていて、やってきたことがすべてうまく進んでいるなと思いましたね」
「レースの第1スティントは雨が降るなかをスリックタイヤで走らなければいけない難しい状況で、ヘイキさんは特に力を発揮してくれます。コールドタイヤでも速さを発揮してくれますよね。ヘイキさんの力で攻めの作戦が取れるような順位まで上がってくれました」
「田中耕太郎エンジニアの作戦としても、これ以上ないベストなタイミングでピットインすることができ、レインタイヤへ交換することができました」
「(ピットした時は)どんどんクルマが入ってきて混雑していき、何年か前のSUGO(2015年第6戦)と似た雰囲気になりました。(ピットで停止中)前のZENT(CERUMO LC500)と交錯するような状況にもなって、危なかったですがなんとか切り抜けることができました」
「そういった混乱した状況でも百戦錬磨のSARDメカニックたちがしっかりコースに送り出してくれました」
「レース終盤はダンプコンディションでレインタイヤでも難しい状況でしたが、これまでGT300でもブリヂストンタイヤを履いてダンプコンディションを戦った経験があり『このタイヤフィーリングなら、これくらいは保つだろう』というノウハウがあったので、その経験をGT500でもしっかり活かすことができました」
「そういう意味では“下積み”が長かったですけど、それが活きたなと感じています」
「今回優勝したことでチャンピオンに手が届く位置につけています。最後にSARDがチャンピオンを獲得した2016年も終盤2戦で逆転しましたから、僕たちはここぞというときの爆発力があるチームだと感じています。今回もその爆発力が結果として出たレースです」
「今回のセットアップがいい方向に進んでいるので、第7戦SUGO、最終戦もてぎもシンプルなマシンパフォーマンスで戦えるのではないかと思っています。デビューイヤーで優勝することができうれしいですし、このままチャンピオンに向けて戦っていきたいですね」