更新日: 2019.09.11 13:17
LEXUS TEAM SARD 2019スーパーGT第6戦オートポリス レースレポート
オートポリス(1周4.674km)
入場者数:予選1万10人、決勝1万7300人 合計2万7310人
9月8日(日)、タイトル争い生き残りを懸けた伸るか反るかの大一番勝負となるスーパーGT第6戦『AUTOPOLIS GT 300km RACE』の決勝が行われ、5番グリッドから不退転の覚悟で勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD LC500は、スタート担当のヘイキ・コバライネンが虎視眈々とチャンスを窺い上位を射程に収めながら順位を4番手に上げる走り。
20周を過ぎると雨粒が落ち始め、コースの大部分を濡らしスピン車両が続出した34周目にピットインを即決断。複数台がピットになだれ込み混乱に巻き込まれながらもウエットタイヤを装着してコース復帰するとセーフティカー(SC)が導入。
SC解除後にその時点でドライタイヤを選択した車両やまだピットインしておらずドライタイヤのままの車両を後目に中山雄一が素晴らしいウエットでの速さを見せて上位を一気に抜き去りレースリーダーに躍り出る。
その後43周目に再度SC導入そして49周目にリスタートとなるや中山が後続を大きく引き離す走り。終盤に17号車が追い上げてくるが、ウエットからドライ路面に変化していく厳しい状況でのブリヂストンのウエットタイヤを熟知する中山は、残り周回数を考えてペースを守りながらクレバーな走りで周回を重ねトップチェッカー。今シーズン初優勝を果たした。
ドライバーポイントでは20点を獲得(計40点)、チームポイントでは23点を獲得(計55点)し、ともにシリーズランキング3位に浮上した。次戦、第7戦は9月21日(土)~22日(日)にスポーツランドSUGOにて開催される。
■事前情報
いよいよシリーズも残り3戦となり、これから最終戦まではタイトルを懸けた息をもつかせぬ激しく厳しい戦いに突入する。
これまで、あと一歩で表彰台といった戦いを繰り広げているDENSO KOBELCO SARD LC500。第6戦は九州はオートポリスが舞台。阿蘇外輪山の北方に位置する当地は標高900m、高低差52mのマウンテンコースで、コース幅は狭く前半ダイナミックかつ後半テクニカルなレイアウト。オーバーテイクポイントは限られており、セクター3では遅い車両に詰まるとロスを喫しやすい。
公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で行われ、決勝は14時30分スタートの300km(65周 2時間弱)で争われ、ピットストップは1回。ウエイトハンデは現獲得ポイントの倍となる40kgを搭載する。
シリーズ最大のハンデ重量となるこの第6戦で勝利しても、第7戦はウエイトがポイントイコール重量と軽くなるため、ここまで苦渋を舐めてきたチームにとっては最後の浮上するチャンス。タイトル争いに生き残るためには目指すは勝利、少なくとも表彰台は必須条件となる。
予選から速さを発揮できてグリッド上位を得られれば、決勝での追い上げの速さに定評があるDENSO KOBELCO SARD LC500は優勝候補の一角を成す。逆に表彰台を落とせば、タイトルの望みがなくなるため、伸るか反るかの大一番勝負となる。緊迫した戦いが予想されるが、チーム一同、不退転の覚悟で勝利を目指していった。
■公式練習走行
7日(土)午前中の公式練習走行は、秋の気配を感じさせる気温24度/路面温度26度の快晴のなかで8時50分から混走セッションが開始された。路面が埃っぽいことからコースオープン後10分ほど経ってからコースインしたヘイキが、ソフト系ドライタイヤを装着してタイヤ評価とクルマのフィーリング確認を途中セット変更をしながら12周確認。
続いてハード系タイヤを装着して4周確認。17周目から中山がヘイキが確認したソフト系とハード系ユーズドタイヤを装着してクルマとタイヤの確認を行った。この混走セッションはヘイキがマークした1分35秒669の2番手に。
10分間のGT500単独セッションでは、中山がアタックシミュレーションを実施し、1分35秒050の5番手のタイムをマークした。公式練習走行では曇ったり晴れたりと路温が変化するコンディションの中、順調に予定された評価プログラムを進めて38周を走行。
続いてのサーキットサファリで12周走行とトータル50周を走行して、Q1に向けて積極的に走り込み、セット調整を進めていった。
■公式予選
■Q1 中山が5番手でQ1突破を果たす
7日(土)Q1開始時点で気温28度/路面温度36度に上昇。午前中に比べて日差しが照りつけて汗ばむ陽気となった。
残り7分半でコースイン。前回に続きQ1アタッカーを任された中山は、練習走行でフィーリングが良かったハード系タイヤをチョイス。じっくりと丁寧にウォームアップ周回を重ね、前後のタイヤがバランス良く温まった4周目にアタックに入った中山はセクター1でトップとなる18秒台前半をマーク。
セクター2でも安心の走りで上位タイムをキープ。セクター3で45秒台後半と他車に差を付けられてしまうも、5番手で第2戦以来のQ1突破を果たした。
■Q2 ヘイキが着実に5番グリッドを獲得
Q2開始時点では気温27度/路面温度35度に。雨雲通過のため反対側の山沿いは黒い雲で覆い尽くされ、雨が降る懸念もあってヘイキは残り6分30秒でQ2進出車両8台の先頭を切ってコースイン。
中山と同じくハード系タイヤを選択しつつも、Q1とQ2の間でセット変更を行った。中山のインフォメーションから1周早く3周目にアタックに入ったヘイキはセクター1で中山と同じく18秒前半で駆け抜ける。セクター2の切り返しで暴れるクルマを巧くねじ伏せてコントロール。
セクター3で45秒台後半とライバル勢にQ1同様に差を付けられてしまうも5番手タイムをマークした。明日の決勝は期待が高まる上位からのスタートとなった。