Ryuji Hirano / AUTOSPORTweb

■SUGOの予選を通じて見えた松井の成長

 15年からのスーパーGT復帰に向け、『技術とスピリットの伝承・継承』をテーマに、土屋は“人を育てるチーム”としてVivaC team TSUCHIYAのメンバーと戦ってきた。それはメカニック、スタッフに土屋春雄氏から続く、日本のものづくりの技術を伝える作業を行いながら、同時に若手ドライバーも育てる目的もあった。

 そのひとりとして選ばれたのが松井だった。メーカーの育成プログラムから外れ、一時はレース活動すら行っていなかった松井が、土屋の薫陶を受けながら2014年はJAF-F4を戦い、プロのレースであるスーパーGTにまでステップアップしてきた。

 成長を続ける松井を見て、土屋のなかに「若手に任せよう」という考えが出てきたのは6月にスポーツランドSUGOで行われた公式テストの帰路だったという。そしてその1ヶ月後、7月に開催されたレースで松井は見事Q2トップタイムをマークし、ポールポジションを獲得。土屋の思いを後押しした。

 そして先述のスーパーGT鈴鹿公式テストの際、土屋は山下に対し、鈴鹿にあるレストラン『ヴァン サンク(25の意)』で食事をしているときに来季起用したい旨を伝えた。

「来年メインで乗ってくれるか?」と。

「健太もビックリしていた。『えっ!? まだ武士さん速いじゃないですか』って。『いや、そういう問題じゃないんだよ』って」

スーパーGT鈴鹿タイヤメーカーテストで、VivaC 86 MCの作業を見守る山下健太
スーパーGT鈴鹿タイヤメーカーテストで、VivaC 86 MCの作業を見守る山下健太

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