マシンの回収と隊列整理を経て、セーフティカー導入から12分後の41周目にレースが再開されると、この周のSPアウトコーナーで初音ミクAMG谷口信輝がLEON AMG蒲生尚弥に迫ると、最終コーナー~ホームストレートでアウトから豪快にオーバーテイク。ポジションを奪い返す。
2番手を取り戻した初音ミクAMGの谷口は、その後一時は8秒近くあったトップARTA NSX GT3福住仁嶺との差をみるみると詰めていき、44周目には1.5秒差まで接近。その直後には背後まで迫ったがオーバーテイクは叶わず。ここで福住がペースを上げて、ふたたびギャップを広げていった。
GT300の周回で63周目、3位を争うLEON AMGとリアライズGT-Rの差が約3秒まで縮まるが、その後方から1周1~3秒ほど速いペースで追い上げてきたのが、セーフティカーのタイミングでタイムを失っていたK-tunes RC Fの阪口晴南だった。
阪口は67周目の3~4コーナーでリアライズGT-Rを操るサッシャ・フェネストラズのインに飛び込むと、マシンが軽く接触し、パーツが飛び散る肉弾戦を繰り広げながらオーバーテイク。その翌周には3秒前方にいたLEON AMGに最終コーナーでアウトから並びかけると、ホームストレートで追い抜き、表彰台圏内まで復活してみせる。
その後はトップのARTA NSX GT3、2番手初音ミクAMG、3番手K-tunes RC F、4番手LEON AMGそれぞれの間隔が広がったことで、上位陣の争いは動きのないままチェッカーを迎え、ここまでの全戦で着実にポイントを重ねてきたARTA NSX GT3が2019年シーズン初優勝を飾った。
2位は初音ミクAMGで今季初表彰台、3位のK-tunes RC Fは優勝した第3戦鈴鹿以来の表彰台獲得となった。
編集部集計のポイントランキングでは優勝したARTA NSX GT3の高木真一/福住組が61.5ポイントまで得点を伸ばして首位を堅持。2位のK-tunes RC F新田/阪口組が14.5ポイント差の47ポイント、3位は初音ミクAMGの谷口/片岡組で20ポイント差の40.5ポイントとなっている。
スーパーGTでは優勝+ポールポジションで1レース最大21ポイントを獲得できるため、計算上は41ポイントをリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの平峰一貴/フェネストラズ組までチャンピオン獲得の権利を持つが、高木/福住組は大きなリードをもって最終戦へ臨むことになる。
2019年のスーパーGT最終戦となる第8戦は11月2~3日、ツインリンクもてぎで250kmレースとして行われる。