同じ頃、タイヤ無交換で粘っていたレクサスの2台はグリップ不足に苦しみ、WAKO’S山下は48周目にたまらずピットへ。粘るKeePer平川だったが山下と条件は同じで、53周目の1コーナーでラインがワイドになると、続く54周目にCRAFTSPORT MOTUL GT-Rマコウィッキに、55周目にModulo Epson NSX-GT牧野に立て続けに1コーナーアウトからかわされ、苦しい展開に追い込まれる。
57周目には同じシチュエーションで23号車MOTUL AUTECH GT-Rにも先行され、37号車KeePer TOM’S LC500としては、残り周回でタイトルを争う6号車、8番手にまで下がったWAKO’S 4CR LC500の前でフィニッシュする戦いとなっていく。
相変わらずトラック上の雨量が減らないコンディションのなか、荒れた天候のニュルブルクリンク24時間耐久などで抜群のパフォーマンスを示してきたミシュラン・マイスターのマコウィッキが水を得た魚のごとく異次元のペースで飛ばし、60周目突入時点で2番手牧野に対し約10秒のマージンを構築。ラップあたり数秒のアドバンテージを得ながら周回を重ねていく。
2番手Modulo Epson NSX-GT、3番手MOTUL AUTECH GT-Rともに単独走行が続き、残りは10周。SC明けにピットへ飛びこみルーティンを終えた5番手KEIHIN NSX-GT、6番手DENSO KOBELCO SARD LC500に対し、WAKO’S山下がヒタヒタと迫ってくる。すると75周目のレインボーでついにDENSO中山雄一を捉え、6番手に浮上する。
そのままレースは81周のチェッカーを迎え、3号車CRAFTSPORT MOTUL GT-Rが今季初優勝。マコウィッキにとってはホンダ陣営所属以来、5年ぶりのGT500勝利。そして平手晃平はレクサスからGT300を経てニッサン移籍後の初優勝、そして2017年以来となるSUGO3勝目を飾った。
「ここまでのバッドラックを払拭できてうれしい」と喜びを語ったマコウィッキに続き、平手も「ニッサンでの初勝利。ここSUGOはよく知るコースだし、最後は僕の意見を採用してもらった。最高の場所で勝てた」と、第2の故郷で喜びを語った平手。
また2位に入ったナカジマ・レーシングのModulo Epson NSX-GTも今季初表彰台。牧野も2016年デビュー戦以来のGT500表彰台となった。
一方、タイトル争いは4位KeePerが8ポイントを加算し、対するWAKO’Sも6位で5ポイントを追加。70点の首位WAKO’Sに対しKeePerは63点と、その差は7点。続く11月2〜3日の最終戦ツインリンクもてぎで実質、レクサス同士の王座決定戦となる。
