すると15周目には5コーナー先のファーストアンダーブリッジを過ぎたところで12番手を走っていたカルソニック GT-Rのエキゾーストから炎が上がり、コースサイドにストップする事態に。しかしセーフティカー出動は見送られ、FROが現場に急行して消化作業を進めてレースはそのまま続行。
コース上での決着を急ぐ大嶋は、19周目の1コーナーからKEIHIN NSX-GTに並びかけると、バックマーカーに行く手を塞がれながらも粘りを見せ、3コーナーのインを奪ってついに3番手へ。
すると続く20周目にKeePerが先手を打ちピットへと向かい、38.9秒の静止時間で平川亮にドライバーチェンジ。同じラップでMOTUL GT-R、ZENT CERUMO LC500らもピットへと向かっていく。
首位au TOM’Sも続く21周目にピットへと向かうと、この動きを見たWAKO’Sも同時にピットロードへ飛び込み、38.8秒とKeePerの静止時間をわずかに上回ってトラックへと復帰。しかしポジションを入れ替えるには至らずau TOM’S関口雄飛、KeePer平川、WAKO’S山下健太の並びになると、アウトラップのコールドタイヤでブレーキングを誤った首位の関口がターン3でワイドに。
このロスタイムで背後まで迫った平川と最終セクターまで競り合いとなり、からくも首位を守る緊迫の場面が繰り広げられる。
25周目にはピットタイミングを引き延ばしていたKEIHIN NSX-GTがピットに入るも、レクサス勢をアンダーカットすることはできず。auやWAKO’Sらと同じ周にドライバー交代を済ませていたARTA NSX-GTやZENTにも先行され、6番手までドロップしてしまう。
レース折り返しを過ぎたところで先頭のTOM’S勢は約2秒のギャップを保ち、3番手WAKO’Sの山下はそのさらに2秒後方で周回を重ねていく。タイトル争いで直接のライバルとなる2番手KeePerをかわせば文句なしの初戴冠となるだけに、力走を見せる山下は30周を過ぎるころにはKeePer平川のすぐ背後にまで迫る。
そして32周目。首位を行くau関口のペースがGT300マシンに引っかかってわずかに鈍り、その隙を逃さずターン3のイン側から平川がクリーンに前へ。3番手のWAKO’S山下も続く気配を見せたが、5コーナーから関口の老獪なディフェンスが炸裂。コース全周にわたって絶妙なブロックで行く手を阻み、背後からは4番手ARTA NSX-GTの野尻智樹も迫ってくる。
逆転タイトルに向け首位に立った平川は順調なペースで、5周後の37周目終了時点で約4秒のマージンを構築。チームメイトの逃げを容認するように3番手WAKO’Sを押さえ込んできた関口だったが、グリップダウンの苦しさは隠せず。すると38周目、運命のときが訪れる。
バックストレート手前のヘアピンでバックマーカーにも絡んでペースの落ちたau TOM’S LC500と、WAKO’S 4CR LC500は並走した状態でダウンヒルへ。一度アウトに行く動きを見せてすぐにインを抑えた山下は懸命のレイトブレーキングで90度へ飛び込み関口を攻略したかに見えたが、「ガチンコで勝負を」と語っていた関口は諦めず、最終ビクトリーコーナーへ向け山下のクロスラインを取ってイン側にマシンを進めて、2台はサイド・バイ・サイドに。