更新日: 2019.11.06 20:58
ブリヂストン 2019スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート
蒲生尚弥/菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG/BS)が最終ラップ、ゴール直前に失速し優勝を逃す。高木真一/福住仁嶺(ARTA NSX GT3/BS)がチャンピオンを獲得
2019年シーズンの最終戦もツインリンクもてぎを舞台に行われた。チャンピオン争いはブリヂストンユーザーの2台、高木真一/福住仁嶺(ARTA NSX GT3/BS)と新田守男/阪口晴南(K-tunes RC F GT3/BS)に絞られた。
3年連続最終戦優勝を目指してトップを走行していた蒲生尚弥/菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG/BS)が最終ラップの最終コーナーを立ち上がって失速、平中克幸/安田裕信(GAINER TANAX GT-R/DL)が優勝。高木/福住組が4位に入ってチャンピオンを獲得した。
<予選>
今シーズンから参戦を開始したマクラーレン720Sを駆る荒聖治/アレックス・パロウ(McLaren720S/YH)がコースレコードを更新して初ポールポジションを獲得した。
これに第4戦で2位に入っている平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ(リアライズ日産自動車大学校 GT-R/YH)が2番手につけた。チャンピオンを目指す新田/阪口組は、Q1で各セクターを好タイムで通過して最終コーナーを立ち上がった時にスピン。
Q2進出を果たすことなく予選を終えて、17番手スタートとなってしまった。蒲生/菅波組は3番手、そして14.5ポイントのリードでチャンピオン獲得に臨んでいる高木/福住組は5番手グリッドから決勝をスタートすることとなった。
<決勝>
レースの序盤から高木/福住組は順位アップに成功。1周目に4番手、そして8周目に3番手へ。17番手スタートという苦しい展開となった新田/阪口組はスタート直後から猛追を開始。10周を終えた時点で12番手まで追い上げていた。
第1スティントでは、多くのチームがドライバーの最低周回数を消化した時点でピットインを行った。新田/阪口組は15周してピットインし、その翌周に高木/福住もピットイン。
この2チームはタイヤを4本交換。蒲生/菅波組はタイヤ無交換作戦に出て、全車がピットインを終えた時点でトップへ躍り出ることに成功した。第2スティントでも新田/阪口組の追撃の手は緩まず、10位以内に躍進しなおも順位をアップすると、終盤には3番手走行の高木/福住組をパスして3位へ。
そしてレースの最終盤にドラマが起きた。トップを快走していた蒲生/菅波組が最終ラップの最終コーナーを立ち上がったところで完全に失速。ガス欠状態でスピードダウンしてしまった。
平中/安田組がゴール手前でこれをパスして優勝。アンカーの蒲生は、ゴールラインを通過して力なくストップして2位となってしまった。高木/福住組は結局4位フィニッシュで、昨年の雪辱を果たしチャンピオンに輝いた。
<チャンピオンドライバーのコメント>
高木真一選手
「17年ぶりのチャンピオン獲得ができて、本当に嬉しいですね。ずっと鈴木亜久里監督と土屋圭市さんのもとで走らせていただいて再びチャンピオンを獲得することができました」
「(福住)仁嶺のスティントでは苦しい展開のなかでも頑張って順位をキープしてくれました。オートバックスさん、ホンダさん、ブリヂストンさんをはじめ、サポートしていただいたみなさんに感謝します。ありがとうございます」
福住仁嶺選手
「今シーズンにGT300の神様のような高木さんと一緒に走ることができて、それだけでもすごいことなのに、スーパーGTのルーキーイヤーでチャンピオンを獲得することができて嬉しいです」
「ちょっとペースが良くなくていっぱいいっぱいでした。でも、亜久里さんの怒った顔を見るのが怖かったので頑張りました。ゴールしたら高木さんが待っていてくださって、泣いていたのでこちらも泣きそうになってしまいました。シーズンを通してサポートしていただきありがとうございました」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:山本貴彦のコメント>
「蒲生/菅波組はガス欠ということで、3年連続の最終戦勝利を飾ることができなくて本当に残念です。同チームはタイヤ交換を行わず、ほかのブリヂストンユーザーさんは4本交換を行っています」
「各チームの異なる作戦、要望に対応し、幅広く、安定した速さを発揮できるタイヤを今回も提供しサポートを行えました」
「17番手からスタートして3位まで上がってきた新田/阪口組のレースは素晴らしかったですね。予選順位が良かったら優勝も可能だったのではないでしょうか。そして、高木/福住組のチャンピオン獲得おめでとうございました」