更新日: 2019.11.27 17:37
ドライバーから転向してわかること。片山右京に聞く監督の役割【サーキットのお仕事紹介】
ドライバーから監督という立場に移った片山監督。立場が変わったことにより、考え方も変化しているという。
「僕も昔はドライバーだったからせっかちになり、そこに自分の感情も入った状態で物事を考えていたけど、それは変化していくものです。そういうなかでいい結果が出ればうれしいし、そうじゃなければ変わらずにものすごく悔しい」
「ドライバーだったからこそ、わかることもあります。『ドライバーは今の状態、苦しいな』と思っても必死に走っていることははっきりとわかるから。言葉にするのが難しいですけど、それがものすごくうれしいし、ドライバーふたりに感謝してます」
「逆に僕のほうがみんなから与えられて教わっているし、一喜一憂させてもらって人生を豊かにしてもらっています。オートポリス戦みたいに4位で表彰台を逃す悔しい結果になったとしても『いやすごくいい走りだったよ』とわかりますからね」
将来スーパーGTの監督業を目指す場合、何が必要か問うと「監督になったら終わりではないんです。真の監督に求められるのは高いレベルであり続けること」という。
「真摯に努力しなければいけないし、続けていくことだけに意味があるわけでもない。監督になるだけなら、お金を出せばなれます。重要なのは、どちらかといえば人とのつながりですね」
ちなみに監督業の気になる収入については「それは言えない(笑)。僕は自転車チームなど、いろいろなことをやっているのでトータルで言えば一部上場企業の取締役くらいはもらっています。監督業だけで言えば、部長とか課長並みくらいですかね」とのことだ。
目に見えないところでチームを支えて管理する監督業。将来チームを率いてレースを戦いたいというかたは、レースの経験や知識を深めるのはもちろんだが、片山監督のようにコミュニケーションスキルや人としての魅力など、“人間力”を高めることもお忘れなく。