レースは20周を経過し、首位のKeePerキャシディと、7周目にNSX-GT対決を制し2番手に上がったKEIHIN塚越、3番手のRAYBRIG山本のトップ3が1分34秒台のペースで先を行くなか、WAKO’S山下が上位勢のなかで先陣を切ってタイヤ交換へと向かう。

 続く15周目にはau関口に続き、Audiのラスト、00号車のBMW M4 DTMに乗る小林可夢偉、リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rのヤン・マーデンボローらが続々とピットロードへ。ここで関口はダイブ形式で斜めに止まったマーデンボローに前を塞がれ、メカニックに押し戻されてのピットアウトとなりわずかにタイムロスする光景も見られた。

 続く16周目にはニッサン勢がピットへ向かうと、クインタレッリはアウトラップ1コーナーをいつもの感覚で入ったか、大きくオーバーシュートしてコースを外れてしまっている。

 その後、首位のKeePerキャシディが20周目にピットへと向かったのに前後して、上位勢が続々とルーティンを済ませると、最後までストップを引っ張ったDENSO中山、そしてAudi Sport Japan RS5 DTMでひさびさの日本凱旋となったブノワ・トレルイエも、翌周にタイヤ交換を終えポジションも一巡。トップ3の顔ぶれは不動も、3番手山本の背後にはWedsSportの坪井が迫ってくる。

 また22周目にはアウトラップで一旦下がっていたZENT CERUMO LC500の立川祐路が、ダンロップコーナーでラストのインを差し、富士マイスターとしてDTM王者をオーバーテイクする意地のドライビングをみせた。

 ドライ路面でのレースも残り15分を切ったところで、やはりタイヤライフに限界が訪れたか、オープニングラップのピットで上位浮上を狙っていたBMWのウィットマンが2度目のピットへ。さらに翌周にはこれが3度目のピットとなった牧野がそのままガレージイン。金曜までの輝きを見せられぬままレースを終えてしまう。

 レースも終盤に向け残り10分を切り、最後のひと波乱を予感させる空気が漂い始め、後方ではAudiのトレルイエがカルソニック IMPUL GT-Rの佐々木大樹、BMW可夢偉を次々とパスし14番手に上がると、かわされたカルソニックのマシンは続くホームストレートでエンジン不調からスローダウンし、力なくピット出口付近のゼブラ帯でストップ。これによりスタートから30周時点でセーフティカー(SC)が導入される。

 マシンの回収を終え、残り1分30秒の時点でSCが明けると、当然のようにインディ方式でのリスタート。再び車間を詰めたバトルは先頭の2台、KeePerとKEIHINが文字どおり“車体をこすり付け”ながら最後のスプリントへと突入したが、キャシディが老獪なリスタートでポジションをキープ。

 すると後方ではさらなる混乱が起き、ダンロップコーナーへの進入で行き場を失ったAudiのロッケンフェラー、DENSO中山がスピンし、それぞれ11番手、7番手のポジションを失ってしまう。

 さらに表彰台圏内を狙った4番手の坪井は、WAKO’S山下に先行されたのち+1ラップとなった最終周で、au関口、Audiとのブノワと三つどもえに持ち込まれると、1コーナーから高速コカ・コーラ・コーナーまでもつれ合うように並走。結果的に、バトルのあおりをうけた関口が失速し、隙を見逃さなかったブノワがDTM最上位となる6位フィニッシュを果たした。

 最終的には、シーズンでも主役を張ったKeePer LC500のキャシディが特別交流戦の栄えある初代勝者に輝き、2位にKEIHIN塚越、3位にRAYBRIG山本と、これがミッドシップでのラストランとなるNSX-GT勢が入る、GT500クラスの実力派がそろうポディウムとなった。

 明けた日曜は、一部チームを除いて、レギュラーシーズンで相棒だったドライバーにステアリングを引き継ぐ形でレースが行われる。24日(日)は9時から20分間の予選、そして14時26分に55分+1周の決勝レース2が行われる。

 また、この間の11時35分にはGT300クラス車両を中心に争われるauto sport web Sprint Cupのレース2も行われる予定だ。

ニック・キャシディが操るKeePer TOM’S LC500
ニック・キャシディが操るKeePer TOM’S LC500

DTM最上位に入ったブノワ・トレルイエ(Audi Sport Japan RS5 DTM)。左フロントのカナードにダメージを負いながらのチェッカーとなった
DTM最上位に入ったブノワ・トレルイエ(Audi Sport Japan RS5 DTM)。左フロントのカナードにダメージを負いながらのチェッカーとなった
スーパーGT×DTM特別交流戦のレース1を制したニック・キャシディ(KeePer TOM’S LC500)
スーパーGT×DTM特別交流戦のレース1を制したニック・キャシディ(KeePer TOM’S LC500)

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