激しいバトルとオーバーテイクが繰り広げられ、最終結果は写真判定となったこのレースは、富士スピードウェイに集まった大勢のファンを沸かせました。この日の主役のひとり、アウディドライバーのロイック・デュバル(Audi Sport Team Phoenix)は、レース序盤でパンクしながらも、センセーショナルな巻き返しを見せて表彰台を獲得しました。

 Audi RS 5 DTMを駆るデュバルは、午前中に開催された雨の予選でポールポジションを獲得しました。ドライコンディションとなった決勝レースで、元SUPER GTチャンピオンであるデュバルのマシンは、7周目に左リヤタイヤがパンクし、想定外のピットストップを強いられます。

 その後、デュバルは、合計3回導入されたセーフティカーの1回を使用して、別のタイヤに交換。この賢明な判断が功を奏して、最終ラップでは数多くのライバルをオーバーテイク。見事に3位でフィニッシュして、ファンから大きな声援を受けました。

 7周目にパンクしたときに、最後尾までポジションを落としたにもかかわらず、見事なパフォーマンスで表彰台を獲得したデュバルは、「何というレースでしょう! ドライコンディションでは、僕たちのマシンはSUPER GTのマシンほど速くなく、さらにレース序盤ではパンクしてしまいました」

「しかし、良いタイミングでセーフティカーが導入されたおかげで、なんとか巻き返すことができました。最後の2周は激しいバトルとなり、完全にサイドバイサイドの戦いとなりました。ここ富士には、素晴らしいショーを見せて、大観衆を楽しませるために来ました。その目的は達成できたと思います。今日は、素晴らしいレースができました」とコメントしています。

特別交流戦レース2で3位表彰台を獲得したロイック・デュバル#28 BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)
特別交流戦レース2で3位表彰台を獲得したロイック・デュバル#28 BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)

 このレース2では、マイク・ロッケンフェラー(Audi Sport Team Abt Sportsline)が7位、レネ・ラスト(Audi Sport Team Rosberg)が9位、ブノワ・トレルイエ(WRT Team Audi Sport)が10位に入り、4台のAudi RS 5 DTMマシンが、すべてトップ10でフィニッシュしました。

 現在DTMチャンピオンのレネ・ラストは、レースの大半で表彰台争いをしていましたが、富士の長いストレートエンドでパンクして、デュバルよりもさらに多くのタイムをロスし、ポジションを落としてしまいました。

 Audi Motorsport代表ディーター・ガスは、次のように述べています。「レース1では優勝争いに加わることはできませんでした。SUPER GTマシンは、私たちのマシンより速く、タイヤの摩耗も少なかったので、難しいレースを強いられました。それでも、トレルイエがDTM勢最高位でフィニッシュし、数多くのスリリングなバトルを展開しました」

「とくに、レース終盤のセーフティカー導入後は、見ごたえのあるレースとなりました。トレルイエのパフォーマンスには、たいへん満足しています。彼は、レースの最後にタイヤのアドバンテージを有効に利用しました」

「またレース2では、数多くのアクシデントが発生し、非常にエキサイティングなレースとなりました。タイヤの問題が発生したにもかかわらず、非常に良い結果を残すことができました。最終ラップでのマルコ・ウィットマンとデュバルの戦いは、センセーショナルとしか言いようがありません」

「私にとって、彼の走りは2位に値するものでした。1秒のペナルティを課した決定は理解に苦しみます。今回の富士特別交流戦は、Class1(クラス1)にとって完璧なプロモーションとなりました。今後は、ベルギーのゾルダーで2020年4月に開催されるDTMシーズンの開幕戦に向けて準備に入ります。もちろん、次の“ドリームレース”も楽しみにしています。今週末のレースで闘争心に火がつきました」

トップで1コーナーに進入していくロイック・デュバル(#28 BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)
トップで1コーナーに進入していくロイック・デュバル(#28 BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)
2019年DTMチャンピオンのレネ・ラスト(#33 Audi Sport RS 5 DTM)
2019年DTMチャンピオンのレネ・ラスト(#33 Audi Sport RS 5 DTM)

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