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投稿日: 2020.03.25 11:48
更新日: 2020.04.03 18:55

【スーパーGT基礎講座】日本を代表するレースの魅力をおさらい。シリーズ最大の特徴“2クラス混走”が生むもの


スーパーGT | 【スーパーGT基礎講座】日本を代表するレースの魅力をおさらい。シリーズ最大の特徴“2クラス混走”が生むもの

GT300クラス

 以前のGT300クラスは各チームが独自に開発したレーシングカーで争われていたが、近年はSROモータースポーツグループが提唱して誕生したFIA-GT3と呼ばれる市販レーシングカーを使って参戦しているチームが大多数だ。

 ただシリーズを運営するGTアソシエイション(GTA)が独自に定めている規定に則り、独自に開発できるJAF-GT300マシン、GTAが販売する4.5リッターV8エンジンとモノコックをベースに、各チームがボディなどを開発できるマザーシャシー(JAF-GT300MC)も参戦しており、ひとつのクラスを計3タイプのマシンが争っている。

GT300クラスのスタート練習の様子
GT300クラスのスタート練習の様子

 FIA-GT3マシンはヨーロッパの自動車メーカーなど中心にさまざまな車両が販売されており、2020年シーズンにはメルセデスAMG GT3、ポルシェ911 GT3 R、アウディR8 LMS GT3、BMW M6 GT3、ランボルギーニ・ウラカン GT3、アストンマーティン・ヴァンテージ AMR GT3、マクラーレン 720S GT3という欧州車、ニッサンGT-RニスモGT3、ホンダNSX-GT3、レクサスRCF GT3という日本車が参戦する。

 2020年シーズンのJAF-GTはスバルBRZ、トヨタ・プリウスGT、トヨタGRスープラの3車種4台が参戦。マザーシャシーはトヨタ86MC、ロータス・エヴォーラMCの2車種3台が参戦する。

 FIA-GT3は各メーカーから販売されている状態からセットアップの変更などはできるものの、空力パーツなどを増設・改良することは禁止されている。一方、JAF-GT/マザーシャシーについてはシーズン中も独自に開発していくことが認められている。

 またFIA-GT3とJAF-GT、マザーシャシーは、それぞれ異なる車両規定で作られていることもあり、パフォーマンスはバラバラ。その差を埋めるためBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)という性能調整によってパフォーマンスの均一化が図られており、肉薄したバトルが演出される。

 クラスを戦う車両だけでなく、参戦するドライバーも大ベテランから驚異の速さを誇る新人、チームによってレース戦略も大きく分かれるなど、あらゆる意味でバラエティ豊かなのがGT300クラスの特徴であり醍醐味。スーパーGTを知りたての場合、シリーズのサポートクラスといった認識になりがちだが、レースの魅力が凝縮され、単独でも充分すぎるほどの見どころを持つクラスがGT300なのだ。

 そして、そんなGT300と日本を代表する自動車メーカーがしのぎを削るGT500が同時にレースを戦うことで、予想のつかないレース展開が生まれ、数々の名勝負が生まれる。これこそが世界に類を見ないスーパーGTの魅力だ。

 またスーパーGTならではの特徴としてタイヤ開発競争の存在も忘れてはいけない。2020年は両クラスともブリヂストン、ヨコハマタイヤ、ダンロップタイヤ、ミシュランタイヤの4メーカーがタイヤを投入。各車両、各レースごとにタイヤ開発が行われており、この争いもスーパーGTのバトルを演出している。このタイヤについて別稿で改めて解説する。

 連載第2回目では、より具体的にスーパーGTのレースウイークの流れについて解説する。


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