【スーパーGT基礎講座】レースウイークの流れをおさらい。“速さ勝負”の予選日と“強さ勝負”の決勝日
予選日の翌日、レースウイーク2日目である“決勝日”はウォームアップ走行と決勝レースが行われる。20分間のウォームアップ走行では決勝レースに向けてタイヤのロングラン性能の確認や、マシンの最終チェックなどをメインに作業が行われる。
予選から1日経つことで当然天候や路面コンディションなどが変わっているため、その状況確認やコンディションにあわせたタイヤのライフ確認、セットアップの最終調整などが行われる。各車とも決勝を見据えた走りとなるので、観戦時にはこのセッションで各車の続走行タイムに注目したい。
ウォームアップ走行を終えると、ついに決勝レースの時間を迎える。スーパーGTの決勝走行距離はレギュレーションで「最短250㎞から最長1000㎞を超えた最初の周回」と規定されている。具体的な決勝レース距離はラウンドによって異なっており、ほとんどのラウンドが300kmレースとして行われている。
ただ、ここ数年はゴールデンウイークの富士大会が500km、もてぎでの最終戦が250kmとなっているほか、夏には鈴鹿1000kmや富士500マイルレースといった長距離戦も組まれてきた。
この決勝レースも、もちろんGT500とGT300の両クラスが混走する形で行われ、GT500では周回遅れの“バックマーカー”となったGT300を使った攻防が、GT300では速度で勝るGT500車両を使った攻防が、コース各所で繰り広げられる。
またスーパーGTは1台のマシンをふたりのドライバーがシェアする形で争われており、決勝レースではドライバー交代を含めたピット戦略、タイヤ戦略が勝利の鍵を握る。
特にタイヤについては複数メーカーが競う“タイヤ戦争”が行われているスーパーGTでは、タイヤの摩耗度合いがギリギリの状態で戦うため、ピットイン前後での順位変動が多く、また事前にタイヤを温めておくタイヤウォーマーの使用が禁止されているため、コールドタイヤでのアウトラップがひとつの勝負どころにもなる。
ほかのシリーズ以上にコース上でのドライバーの意地と技術、そしてピットで見守るチームの頭脳がぶつかるのがスーパーGTが持つ魅力のひとつだ。
ちなみに決勝日もレース開始前にピットウォークが行われ、ドライバーなどと交流する機会がある。日曜日のピットウォークではレースクイーンたちはホームストレート側で撮影に応じてくれる。
また決勝レース直前にはマシンが並ぶホームストレート上へ入ることのできるグリッドウォークも行われる。このグリッドウォークでは目前に迫る決勝レースに向けて緊張感高まるドライバー、チーム監督、チームスタッフの雰囲気をたっぷり堪能できるはずだ。
決勝日のピットウォーク、グリッドウォークは、どちらも別途参加券が必要なので、気になる方は事前のリサーチとチケット購入をお忘れなく。
次回はより具体的に予選、決勝の流れやレギュレーションを解説する。