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投稿日: 2020.04.08 11:22
更新日: 2020.04.08 13:42

いまこそJAFの役割が問われる”重大局面”日本のモータースポーツ文化をどう守るか


スーパーGT | いまこそJAFの役割が問われる”重大局面”日本のモータースポーツ文化をどう守るか

 代表的なところでは、レースカレンダー再構築にあたり8月の調整しろを確保する目的で「全チームの夏季休暇前倒し取得」を行ったほか、チームの財政事情を鑑みて「2021年に導入予定だった車両規定の1年先送り」、そして外出を自粛する世界中のファンに向けた「eスポーツの最大活用」などが挙げられる。

 F1は、その後もさまざまな新型コロナ対策を講じてきた。とくに圧巻だったのは、イギリスに本拠地を置く7つのF1チームが立ち上げた『プロジェクト・ピットレーン』。英国内で著しく不足している人工呼吸器の問題解決に向けて、チームが持つ技術力とリソースを最大限に活用して支援・協力することを高らかに宣言したことだった。彼らが単なるチームではなく、コンストラクター(マシン製造者)であるがゆえの新型コロナ対策でもある。

 この『プロジェクト・ピットレーン』は英国政府からの呼びかけにF1側が直接応えたものだった。現在は全世界的に「平時」ではない。経済的な損失はリーマンショック以上、社会的なダメージは第二次世界大戦以来とも言われる「有事」だ。しかも、今回は戦争と違って理性を持たない未知のウイルスが相手──見えない敵との戦いでもある。

「平時」はライバル同士のF1チームが、現在のような「有事」においては足並みをそろえ、協調して問題解決に向き合う姿勢は、ファンにとっても誇れること。そして、あらためて痛感させられるのは、常日頃から“戦場”に身を置くF1チームは「有事」に強いということだ。

 ひるがえって国内を見てみる。編集部がまとめた別表「JAF(日本自動車連盟)および国内主要レースの新型コロナウイルス対応」を眺めてみると、スーパーGTとスーパーフォーミュラ、スーパー耐久がこの難局にそれぞれのアプローチで対応にあたっていることがよく分かる。

 スーパー耐久機構(STO)は、パドックへの入場を関係者のみに制限して2月29日に富士でテストを行った。その翌々日には、JRPが鈴鹿で行う予定だったスーパーフォーミュラ公式合同テスト(3月9~10日)と開幕戦(4月4~5日)の延期を発表し、同日、スーパー耐久開幕戦鈴鹿の延期もアナウンスされた。

 ただ、注目すべきはその1週間後にあたる3月9日。STOと鈴鹿サーキットが、モータースポーツの歴史的価値を現代に伝えるイベント『サウンド・オブ・エンジン』を中止して、同週末(11月21~22日)にスーパー耐久開幕戦の代替開催を行うと発表したことだ。

3月27日、トヨタ勢は午前中にフィルミング撮影を行なっていたが、それが終わると早々にサーキットから撤収していった。
3月27日、トヨタ勢は午前中にフィルミング撮影を行なっていたが、それが終わると早々にサーキットから撤収していった。

■「限られた週末の争奪戦」。決着はどうつける?


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