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投稿日: 2020.06.16 15:46
更新日: 2020.06.30 11:12

1年でボツとなった野心的アイデア。02年型ニッサンGT-Rのラジエター移設大作戦【スーパーGT驚愕メカ大全】


スーパーGT | 1年でボツとなった野心的アイデア。02年型ニッサンGT-Rのラジエター移設大作戦【スーパーGT驚愕メカ大全】

 しかしトランクリッド上面は通常のグリルに比べて空気の圧力が低いので冷却に充分な空気は流れない。そこで追加されたのが、レーシングカーのラジエターでは用いられることのないファンだった。

 このファンは、エンジンの動力を流用して回したポンプが生み出した油圧で働き、空気を引き込んで排出した。油圧の軸流ファンは量産車で多用される電動ファンに比較して軽量にまとまるという見通しだった。

 しかし結果的に予想より重量が嵩んだうえ、車体後部の高い位置に冷却系コンポーネントが配置されたため前後重量配分は改善されたものの重心が上がってしまうなど弊害も生じた。02年シーズン途中、実験的に実戦投入された野心的アイデアではあったが、当初期待しただけの効果が認められなかったため、R34型GT-R最後のシーズンとなった翌03年の車両のラジエターは通常の位置に戻されてしまった。

 V型6気筒エンジンを搭載したR34型GT-Rという異形も03年いっぱいで実戦を退き、翌年GT500 クラスのベース車両はZ33型フェアレディZに切り替えられたのだった。

リヤオーバーハングに設けられたラジエターコアを覗く。なお翌03年型ではラジエター位置はフロントへと戻ったものの、規定変更を受けてギヤボックスをリヤへと移設しトランスアクスル化。前後重量配分の適正化を再度図った。
リヤオーバーハングに設けられたラジエターコアを覗く。なお翌03年型ではラジエター位置はフロントへと戻ったものの、規定変更を受けてギヤボックスをリヤへと移設しトランスアクスル化。前後重量配分の適正化を再度図った。
開幕前からV6エンジン換装の話は持ち上がっていた。第3戦SUGOでついに投入されたザナヴィニスモGT-Rを、トヨタ陣営のスタッフが興味深そうに見つめる。
開幕前からV6エンジン換装の話は持ち上がっていた。第3戦SUGOでついに投入されたザナヴィニスモGT-Rを、トヨタ陣営のスタッフが興味深そうに見つめる。


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