ポールからスタートした蒲生尚弥/菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG/BS)がピットストップで痛恨のタイムロス。序盤に2位へ順位アップしていた吉田広樹/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS)がチーム初優勝を飾る。
3ヶ月遅れで開幕した2020年オートバックスSUPER GTシリーズの第1戦は富士スピードウェイで開催され、ワンデーレース、予選と決勝を同日におこなった。
ポールポジションからスタートした蒲生尚弥/菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG/BS)は、序盤でトップポジションを奪われたが17周目にトップのポジションを奪い返した。しかし、ピットインした際のタイヤ交換作業に手間取ってタイムロス、順位を下げてしまった。
4番手スタートから序盤で2位へ上がっていた吉田広樹/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS)がトップに立つとそのまま首位を守ってゴール、GT300クラスのGRスープラのデビューウイン。そしてチームにとって初優勝を飾った。
<予選>
29台がエントリーしたGT300クラスは、昨年のランキング順にA、Bクラスに別れて予選を行った。天気予報に反して天候が良くなって、予選開始時点では曇り、コースはハーフウエットから一気にドライへ変化して行った。Q1の両グループトップ8台がQ2に進出。
Q2、16台で行われたタイムアタックでトップに立ったのは蒲生/菅波組。これに、平中/安田組が0.31秒差で2番手。そして、3番手には加藤寛規/柳田真孝(シンティアム・アップル・ロータス/YH)がつけた。僅差のクラス上位陣の中で吉田/川合組は4番手から決勝をスタートすることとなった。

<決勝>
スタート直後に起きたGT500クラス車両のアクシデントで1周目からセーフティカーがコースイン。6周目からレース再開。リスタートで平中/安田組がトップに立った。蒲生/菅波組は2位につけ、その背後に4番手スタートの吉田/川合組が積極的に序盤から順位アップして来ていた。
17周目に蒲生/菅波組と吉田/川合組が同時に順位アップ。ブリヂストン装着車がGT300クラスのワンツー体制となった。24周してトップの蒲生/菅波組がピットイン。左側前後のタイヤ2本を交換。その際にリヤタイヤの交換作業に手間取って大きくタイムロス、順位を下げてしまった。
これでトップに立った吉田/川合組は30周してピットイン。タイヤ無交換作戦を敢行、トップポジションを守ってレースに復帰。終盤ではタイヤマネージメントを行いながらの走行となり、後続のマシン達が必死に追い上げリードの幅が狭まる展開となったが、これを振り切ってチームにとっての初優勝を飾った。

<優勝ドライバーのコメント>
吉田広樹選手
「これまで、富士では勝てそうで勝てないレースがありました。開幕戦を迎えて正直、勝てるとは思っていませんでした。(川合)孝汰がGTデビューレースで頑張ってくれましたし、普段はディーラーで整備をしているメカニックさん達も素晴らしい仕事をしてくれました」
「タイヤ交換の作業ミスのリスクを排除してタイヤ無交換の作戦をとりました。ブリヂストンさんのタイヤが最後まで素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれたお陰で優勝できました。感謝しています」
川合孝汰選手
「昨年までFIA-F4に参戦して、今年GT300クラスにステップアップして、いきなり勝てて本当に嬉しいです。吉田さんに『あまり頑張り過ぎるなよ』と声をかけていただいてリラックスしてレースに臨めました」
「埼玉トヨペットの平沼社長をはじめ、メカニックさん達に支えられて勝つことができました。そして、無交換作戦を成功させてくれたブリヂストンさんのパフォーマンスによって勝つことができました。ありがとうございます」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:山本貴彦のコメント>
「このところGT300クラスでは、タイヤ無交換作戦ができるかどうかは勝敗に大きく影響します。状況変化のなかで各チームさんと話し合って作戦を支えています。LEONさんはパフォーマンスの低下を考慮して左側2本の交換をアドバイスさせていただきました」
「そして埼玉トヨペットさんは無交換作戦。GT300クラスデビューしたGRスープラは、タイヤとのマッチングも良く、最後まで安定したパフォーマンスを発揮することができました。チームにとっての初優勝おめでとうございます」
