PACIFIC – D’station Racing 2020スーパーGT第1戦富士 レースレポート
PACIFIC – D’station Racing
Race Report – 2020.07.22
http://dstation-racing.jp/pdf/2020/Dstation_sgt_2020_round1.pdf
AUTOBACS SUPER GT 2020 SERIES
Round.1 FUJI SPEEDWAY
July 18 – 19 2020
Qualify : 13th Race : 10th
新体制で臨んだ待望の開幕戦で結果を残す
2019年、チャンピオンコンビを走らせながら2ポイントでシーズンを終えたPACIFIC RACINGと、鳴り物入りでアストンマーティン・ヴァンテージAMR GT3を投入しながら、さまざまな不運に見舞われ、まさかの無得点で終えたD’station Racing AMRが、2020年へ向けコラボレーションし、『PACIFIC – D’station Racing』として新たなスタートを切った。3月の岡山公式テストからチームは新たな体制でスタートを切った。D’station Racingのスタッフ、そしてPACIFIC RACINGのスタッフ、中日本自動車短期大学在学中の、未来ある若きスタッフたちが合流した。
しかし、世界中を混乱に陥れた新型コロナウイルス感染拡大の影響により、SUPER GTの2020年カレンダーは大幅に変更されてしまう。ようやく再スタートを切れたのは、6月27〜28日の富士公式テスト。3月から6月の間にチームには新しいスタッフも加わり、戦力も強化された。
そして新シーズンに向け、PACIFIC – D’station Racingはエースの藤井誠暢、パートナーとしてアストンマーティンワークスドライバーのニッキー・ティームの起用を決めていたが、コロナ禍のなかの水際対策で、ティームの来日が危ぶまれてしまった。チームはなんとか来日へ手を尽くしていたが、最終的にこれは叶わず、藤井のパートナーとして、世界で活躍するケイ・コッツォリーノを起用。鈴鹿で行われたメーカーテストで、コッツォリーノはヴァンテージAMR GT3を初めてドライブした。
こうして迎えた第1戦富士は、残念ながら無観客での開催となった。また変則的なスケジュールが採用されており、7月18日(土)の16時から公式練習が行われた。ただ、霧のため走行時間が短くなり、かつ翌日の天気予報も悪かったことから、藤井からコッツォリーノ、そして藤井へと代わり、まずは藤井が1分37秒861を記録。18番手となった。
明けて7月19日(日)は、午前9時30分からGT300のノックアウト予選Q1がスタートした。心配された荒天はなく、晴れ間も見えはじめるなかで行われたQ1は、今回組分けが採用されており、藤井が乗り込んだPACIFIC NAC D’station Vantage GT3は、A組のなかで他の13台とともにコースインする。
濡れた部分も残るが、ほぼドライコンディションのなかタイヤを温めた藤井は、1分37秒812という好タイムを記録。A組の4番手でQ1を突破すると、コッツォリーノもひさびさのSUPERT GTとは思えぬ安定したアタックで、1分37秒883をマーク。開幕前の公式テストでは一発の速さにが課題のひとつとして悩んではいたが、しっかりと好位置につけた。
レースまでに慌ただしく過ごし、迎えた午後3時からの決勝。晴天のなか気温も上がるなか、スタートを担当した藤井は、まず12番手に順位を上げ前を追う。序盤から開幕戦だからか上位にもトラブルが相次ぎ、9周目には10番手、さらに11周目には9番手に浮上した。
路面温度も増し、各車タイヤが厳しくなっていくなか、藤井は27周を終えピットイン。コッツォリーノに交代する。ピットストップも成功し、ふたたびコースに戻った。コッツォリーノはその後も、トップ10圏内を争う戦いを展開。特に48周目には、#4 メルセデスをかわし9番手に浮上した。
順位を落としながら激しく追い上げる#55 NSX、そして#4 メルセデスに再逆転を許したものの、コッツォリーノはきっちりとPACIFIC NAC D’station Vantage GT3をチェッカーまで運んだ。順位は10位。昨年、1ポイントが獲れず苦汁をなめてきたが、開幕から見事に第一の目標をクリアすることに成功したのだ。
ライバルの決勝ペースも速く、表彰台争いをするにはまだ足りない部分もあるのは間違いないが、今回気づけた点も多い。そしてやはり、結果を得たことがチームの士気を大いに上げた。レース後、PACIFIC – D’station Racingのメンバーは、さっそく次戦に向けて、充実した顔つきで話し込みはじめていた。
COMMENTS
神野元樹
Motoki Jinno PACIFIC – D’station Racing Team Representative
今回は2020年の新体制で初めてのレースとなりましたが、皆さんの応援に感謝しています。これまで岡山、そして富士での公式テストまでは、上位を目指すための困難なハードルがいくつもありましたが、エンジニア、メカニック、そしてドライバーふたりがこのハードルに立ち向かい、結果を出してくれたと思います。ここまでのチーム全員の努力に感謝したいです。今回の開幕戦で得られた収穫も多いので、次戦以降も、上位進出を目指して頑張りたいと思います。
星野敏
Satoshi Hoshino D’station Racing Team Principal
アストンマーティンにスイッチして初めてのポイント獲得をうれしく思います。また、ミシュランタイヤを履いての初めてのレースとなりましたが、特色があるタイヤであり、今回表彰台獲得には届きませんでしたが、チャンスが来れば必ず届くだろうな、と実感しています。さらに今回はケイ・コッツォリーノ選手が加わってくれましたが、非常に心強い存在となってくれました。彼もノーミスでしたし、いい開幕戦になったと思います。ドライバーもエンジニアもうまく協調できているので、次戦が楽しみですね。
藤井誠暢
Tomonobu Fujii Driver
2020年の開幕戦ということでしたが、公式予選Q1ではコンディションも良く、トップタイムも出そうななかで4番手でQ2に繋げることができました。決勝では、ミシュランタイヤに変更してロングランの確認もできていなかったので不安もありましたが、今回持ち込んだタイヤが良く、コッツォリーノ選手のスティントも走りきることができました。今回は確実にいこうと走りきった結果、10位で1ポイントを獲れたのは良かったです。ここから順位を上げていくには、課題を煮詰めていく必要がありますが、今回の結果を前向きにとらえています。
ケイ・コッツォリーノ
Kei F Cozzolino Driver
まずは改めて、こうして貴重な機会を与えてくださったPACIFIC – D’station Racingの皆さんに感謝しています。アストンマーティンはまだ慣れない部分もありますが、チームの皆さんとともに、まず目標としていたポイント獲得を目指し、自分たちができることをステップ・バイ・ステップでやっていこうと取り組んだ結果、こうして目標に到達できて満足しています。チームはトップ10で戦う実力があります。優勝争いできるのを今後も期待していますし、タイヤの性能を活かせれば、それも実現するのではないでしょうか。
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