ふたりめは開幕戦に引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で来日できないヘイキ・コバライネンに代わって、急遽DENSO KOBELCO SARD GRスープラをドライブすることになった阪口晴南だ。
阪口はQ2を担当したが、熾烈なGT500の予選でいきなり3番手グリッドを獲得した。ほぼ練習なしで挑んだ初めてのGT500の予選、当然いろいろなプレッシャーを感じていたはずだが、阪口は「ガチガチになるほどではなかった」という。
「プレッシャーは今までもいろんな場面で感じてきました。今回はそれがGT500だったということだけです。プレッシャーはドライビングに影響しないですし、逆にモチベーションが上がってプラスに働きましたね。GT500は初めてでしたが、速く走らせる方法はイメージがついていた。僕が今持っているドライビングの守備範囲にGT500のマシンはいてくれました」
「それよりも今回、一番のサプライズは(ヘイキ・コバライネン選手の)代役に起用してもらったことです。今季はK-tunes RC F GT3で一年間通して戦うと思っていたので、本当に驚きました」
阪口は2018年までホンダのサポートのもと、FIA-F4や全日本F3に参戦してきた。しかし、2019年からそのサポートはなくなってしまう。それでもK-tunes RacingでスーパーGT GT300クラスに参戦する機会を手にした阪口は、参戦一年目にしてタイトル争いをし、レースの強さを見せた。
今回の起用はもちろん阪口の活躍を受け、さらに成長を期待してのことだろう。第1段階の予選はGRスープラ陣営内でトップと十分すぎる結果だったと言える。ただ、明日の決勝はまた新たな未知の世界だ。今までGT500に抜かれる立場だった自分が、GT300を交わしつつ、なおかつ上位争いをしないといけない。「しびれる展開ですね」と笑いながらも、強い意気込みを口にした。
「このチームに1勝ももたらしたい。表彰台を目指して、今までやってきたことを活かして自分のペースで走りたいです」
果たして阪口は今回の巡ってきたチャンスをどのように活かすことができるのか。振り返れば、今の阪口は7月25日以降、インタープロトの第3戦、第4戦で連勝。フォーミュラ・リージョナル・ジャパンの開幕3戦をすべて勝ち、最後はGTAとグランツーリスモSPORTがともに開催したバーチャルレース『SGT × GTS Special Race』Rd.2も制し、2週間の間に6勝を飾っている。この連勝数がさらに更新される可能性も見えてきそうな予選のパフォーマンスだった。
