更新日: 2020.08.09 18:02
ホンダ陣営の逆襲。KEIHINが独走でFR-NSXの初優勝を飾る【スーパーGT第2戦富士GT500クラス決勝】
レース開始20分を経過して独走体制を築いた先頭のNSX-GT2台は、15周目突入時点で0.307秒差にまで急接近。すると2コーナーからサイド・バイ・サイドになったARTA NSX-GT福住とKEIHIN NSX-GTバゲットは、続くコカ・コーラ・コーナーで2番手の17号車がアウトから被せてオーバーテイク。ここでKEIHIN、ARTAとポジションが入れ替わる。
すると1分30秒台を並べて奮闘していた3番手カルソニック IMPUL GT-Rの平峰も、4番手のau TOM’S GRスープラのサッシャに0.291秒まで迫られ、1コーナー立ち上がりであわやの場面を迎えるも、GT300クラスのバックマーカーなども巧みに使い、なんとかこれをしのいでいく。しかし24周目にはまったく同じシチュエーションでアウト側から強引に前に出られ、10周前後も続いたバトルはここで決着となる。
25周を前後して各車がピットウインドウを迎えると、WAKO’S 4CR GRスープラやKeePer TOM’S GRスープラ、DENSO KOBELCO SARD GRスープラのトヨタ勢が先にピットへ。早めのドライバー交代を選択し、ポジションを入れ替えながらトップ5入りを狙っていく。
すると31周目突入時点で首位KEIHIN NSX-GT、3番手au TOM’S NSX-GT、4番手カルソニック IMPUL GT-Rが同時にピットへ。ここでステイアウトを選択した2番手のARTA NSX-GT福住は、開幕戦の悔しさを払拭する走りを披露し、スティント終盤でもまったくレースペースを落とすことなく1分31秒台を並べ、じつに36周目突入時点まで引っ張って野尻に後を託す。
36.6秒というライバル陣営を上回る迅速な作業静止時間でピットを出たARTA NSX-GTだったが、ウォームアップを待つ間にセクター2から3に掛けて17号車に急接近を許すと、車両トラブルの可能性も残しつつ、ダンロップコーナー手前からGT300クラスのバックマーカーも気になったか立ち上がりでテールスライドを許し、そのままアウト側へ痛恨のスピンオフ。
リヤタイヤがグラスエリアに掛かったことで脱出できず、ここで無念にも優勝戦線から脱落する形となってしまう。
思わぬ形で首位に返り咲いたKEIHIN NSX-GTが、40周目に入り2番手au TOM’S GRスープラを約20秒も突き離す独走体制を維持し、3番手カルソニック IMPUL GT-Rの佐々木大樹と、4番手WAKO’S 4CR GRスープラの坪井翔がテール・トゥ・ノーズの接近戦を繰り広げる。
すると42周目のダンロップコーナー立ち上がりでわずかな隙を突かれたカルソニック IMPUL GT-Rは、WAKO’S 4CR GRスープラ坪井ばかりかKeePer TOM’S GRスープラの平川亮にも先行を許し、一気に5番手へと下がってしまう。
一方、首位のKEIHIN塚越は50周を過ぎても1分30〜31秒台のペースをキープし、悠々のクルージング。51周目にはセクター1の最速を更新するなど、開幕戦でNSX-GT勢が課題としたロングランでの不安を払拭する快走を披露。
そのまま15秒以上のマージンを残して66周のチェッカーまで走り切り、塚越とKEIHIN REAL RACINGにとっては2018年開幕戦の岡山国際サーキット以来となる、久々の優勝を記録した。
2位には30kgものWHを背負いながらのau TOM’S GRスープラ以下、同22kgのWAKO’S 4CR GRスープラ、そして42kgの前戦勝者KeePer TOM’S GRスープラと3台のGRスープラ勢が続き、トヨタ勢のレースでの強さを見せつける結果に。
そして5位にはカルソニック IMPUL GT-Rと順位を争っていた100号車のRAYBRIG NSX-GT山本尚貴が入り、最後の最後、65周目でGT300マシンと接触してしまったカルソニックはドライブスルー相当の40秒加算のペナルティを受け、11位のリザルトとなった。